球戯

球戯（ブール）とは？

球戯、または[ブール]は、複数の球を的球めがけて投げて競う球技の総称です。重めの球を使用するのが一般的で、競技者は数メートル離れた位置から球を投げ、的球にどれだけ近づけられるかを競います。フランス、イタリア、クロアチアを始め、旧フランス植民地諸国で広く親しまれており、ペタンク、ボッチェ、ローンボウルズなどが代表的な競技です。地域によって様々なバリエーションが存在します。

ルールと競技方法

多くの球戯では、4人1組の2チームが対戦します。各選手は同じ数の球を持ち、順番に的球に向けて投げていきます。的球は選手が持つ球よりも小さく、材質も異なります。フランス語では「but」や「cochonnet」、イタリア語では「pallino」、英語では「jack」と呼ばれます。

競技は、決められたエリア内で行われ、既に投げられた他の選手の球をはじき飛ばすことも可能です。的球をはじき飛ばすことも競技によっては認められています。球をはじき飛ばした場合、次の投球者となる順番は競技のルールによって異なります。

1回分の投球を「マンシュ（une manche）」と呼び、通常、的球の近くに最も多くの球を配置したチームが得点を得ます。複数のマンシュを繰り返し、合計得点で勝敗を決めます。

球戯が行われる場所

球戯は、公園などの緑地や、専用コートであるブロドロム(boulodrome)で行われます。ブロドロムは、長方形で、長さが幅の3～4倍の長さを持つコートです。競技スペースの内側に外郭部分が設けられているのが特徴です。

コートの材質は多様で、土、砂利、砂、礫、アスファルト、草地など様々です。コートの周囲を板などで囲い、球が外に出ないように工夫されている場合もあります。基本的には平らなコートで行いますが、球が中心に集まるように湾曲させているコートも存在します。

球について

球は、材質や形状が競技によって異なりますが、一般的には重めの球を使用します。歴史的には、粘土や石、木片などが使われていましたが、19世紀以降は硬い木製の球が主流となり、金属製の球も登場しました。

国際的な競技統括組織

1985年に、ボッチャ、ブール、ペタンクの国際競技統括組織が連合して、世界ブールスポーツ連合(CMSB)が設立されました。その後、ローンボウルズも加わり、夏季オリンピックへの球戯の正式種目採用を目指していますが、2014年現在、まだ達成されていません。

球戯の歴史

球戯の歴史は古く、古代ギリシャの医師ヒポクラテスが、石を使った球投げを推奨していた記録が残っています。ローマ帝国時代には、イタリアや南フランスで、ボッチェやブル・リヨネーズに似た球戯が行われていたと考えられています。イギリスのローンボウルズは、12世紀のロンドンに起源を持つとされています。

中世フランスでは、球戯は貴族の遊戯とされ、一般には禁止されていました。フランス革命後も、地方ごとに独自ルールで球戯が盛んに行われていました。1850年にはリヨンで最初の公式競技団体が設立され、1907年にはペタンクが誕生しました。1900年パリオリンピックでは、非公式競技として球戯がプログラムに含まれましたが、正式種目とはなりませんでした。

道具の歴史

球の材質は、当初は粘土、石、木片などでしたが、19世紀には硬い木製の球が主流になりました。19世紀半ばからは、鉄くぎによる補強が施されるようになり、耐久性が向上しました。1904年には、木製の芯材を金属で覆い、鋲で固定した球が発明されました。その後、金属製の球も開発され、現在に至っています。

球戯の分類

日本のスポーツ研究者、松井良明は、ヨーロッパの球戯を、手を使うハンドボール、足を使うフットボール、道具を使う打球戯の3つに分類しています。

もう一度検索