球速とは
球速とは、主に
野球や
ソフトボール、
テニス、
ボウリングなどのスポーツにおいてボールの速さを示す指標です。その測定は、選手の技術や競技特性に大きく依存しています。
日本プロ
野球では、男子選手が投げる直球の初速は通常130 km/hから165 km/hの範囲であり、特に160 km/h以上の球速は非常に速いとされます。
変化球に関しては、スライダーやシュートが120 km/hから140 km/h、カーブや
チェンジアップは90 km/hから120 km/h程度です。これに対して女子選手は、直球で105 km/hから120 km/hの後半まで記録します。日本最速の女子選手、山田優理は129 km/hを投げたことがあり、その記録は注目されています。
球速が速いと、打者がボールを捉えるのが難しくなるため、体感でのバッティングの難易度が増します。特に、「快速球」や「剛速球」と呼ばれる球速140 km/h後半から150 km/h台のボールは、その特性上、非常に打ちにくいとされています。一方で、130 km/h程度の速球は遅いとされ、速い球が投げられない
投手はコントロールや
変化球で勝負することが多いのが現実です。
今浪隆博氏は、プロに入ると球速が落ちる理由について「
変化球や制球を磨く過程で、速球投げる感覚を忘れる」と述べています。
プロ野球における球速の記録
日本プロ
野球界において、一軍公式戦やポストシーズンで160 km/h以上を記録した選手は、その球速が特に注目されています。これまでの公式試合で複数回にわたってこの球速を記録した選手もおり、最高球速を記録した日は特に重要な指標です。
メジャーリーグの球速
アメリカのメジャーリーグでは、長い間球速測定が行われており、1975年以降は
ドップラー・レーダーを用いたスピードガンによる計測が一般化しました。「100 mph(約160.934 km/h)」に達することは、速球を投げる
投手の指標として特に重要であり、公式に100 mphを記録した
投手は「100 mph クラブ」に入ることがあると報じられています。現時点でのメジャーリーグの最速の球は
アロルディス・チャップマンによるもので、2010年に105.1 mph(約169.1 km/h)を記録しました。
メジャーリーグでは、1974年に
ロックウェル・インターナショナルが開発したドップラー・ライダーによって
ノーラン・ライアンの球速が100.9 mph(162.383 km/h)として公式に認定されたことが契機となり、その後51人以上が「100 mph クラブ」に名を連ねています。
ソフトボールにおいては、男子選手の球速はおおよそ120 km/h、女子選手では約100 km/h程度が一般的です。
野球よりもボールの大きさや投法の違いから、同じ距離を投げる際の球速は低めとなりますが、114 km/hは
野球の160 km/hに相当するとされ、高い技術を要します。日本の
上野由岐子選手が119 km/hを投げたことは、その例として挙げられます。
テニスにおけるサーブ速度
テニスでは、重要なプレーの一つとしてサーブがあり、これは大会会場で速度が表示されます。過去にはグレグ・ルーゼドスキーが239.7 km/hを記録したほか、
松岡修造選手も216 km/hを記録したことがあり、そのスピードは試合の流れを大きく変える要素となります。2022年のオーストラリアオープンでも220 km/h以上のサーブを打つ選手が見られました。
その他のスポーツにおける球速
ボウリングでは55 km/h、
ハンドボールでは100 km/h以上、
サッカーでは132 km/h、
ゴルフでは328 km/h、
バドミントンでは493 km/hに達することもあります。これらのスポーツでも球速は技術や戦術に影響する重要な要素であることがわかります。