理療科

理療科とは

理療科（りりょうか）、または手技療法科（しゅぎりょうほうか）は、視覚に障害のある生徒を対象とした職業訓練課程です。主に視覚特別支援学校の高等部に設置されており、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師といった、いわゆる「三療」と呼ばれる医療系の国家資格取得を目指します。

理療科には、三療全てを学ぶことができる「理療科」と、あん摩マッサージ指圧師の資格取得に特化した「保健理療科」の2種類があります。

歴史的背景

理療科は、戦前には「鍼按科（しんあんか）」という名称でした。しかし、按摩という言葉が視覚障害者の職業の代名詞のように使われるようになったことや、外科手術や薬物を使わずに物理的な刺激で治療を行うという療法の特徴から、「物理療法」または「理学療法」の略語として「理療」という言葉が使われるようになりました。

しかし、「理療」という名称が、リハビリテーションの専門家である理学療法士の養成課程と混同されることがあったため、「手技療法科」という名称に改める学校も出てきています。これは、手技による治療を行うことを明確にするための措置と言えるでしょう。

名称の違い

理療科は、視覚障害のある人を対象とした専門課程であるため、健常者を対象とした学校では、主に「鍼灸科」または「鍼灸マッサージ科」という名称が用いられています。これは、視覚障害者と健常者で、養成する学校の制度やカリキュラムが異なるためです。

理療科の目的

理療科の主な目的は、視覚障害を持つ生徒が、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師という医療系の専門職として自立できるよう、必要な知識と技術を習得させることです。卒業後は、医療機関や施術院などで活躍する道が開かれています。また、独立開業を目指す人もいます。

カリキュラムの特徴

理療科のカリキュラムは、解剖学や生理学などの医学基礎科目に加え、あん摩、マッサージ、指圧、鍼、灸といった手技療法に関する専門科目が中心です。実技演習に多くの時間が割かれ、臨床実習を通して実践的な能力を養います。

まとめ

理療科は、視覚障害のある生徒が専門的な医療技術を習得し、社会で活躍するための重要な教育機関です。名称や課程に違いはありますが、その目的は、視覚障害を持つ人々の自立と社会参加を支援することにあります。

関連項目

* 視覚特別支援学校

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