環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約

環境改変技術敵対的使用禁止条約

環境改変技術の軍事的使用やその他の敵対的使用を禁止するための国際的な条約が、1976年に国際連合で採択され、1978年に効力を発揮しました。この条約は、自然現象を故意に変更する行為を防ぎ、環境保全と軍縮の促進を目的としているものです。

基本情報

環境改変技術敵対的使用禁止条約、通称「環境改変兵器禁止条約」は、1976年12月10日に国連総会で採択されました。その後、1978年10月5日に発効し、現在までに多くの国が署名および批准しています。具体的には、約48の国が署名し、78の国が批准しています。この条約には、無期限の有効期間が設定されており、加盟国はその遵守を誓約することが求められています。

条約の概要

この条約の内容は、様々な自然災害や気象現象を人工的に引き起こし、それを軍事的利用に繋げることを根本的に禁止するものです。例えば、津波や地震、台風の進路を操作することを明確に禁じています。第1条において、敵対的使用が禁止された技術には長期的かつ深刻な影響をもたらすものが含まれ、環境そのものに対する破壊行為は許されません。

平和的利用と締約国の義務

第3条では、「環境改変技術の平和的使用は妨げない」という規定があります。これは、環境改変技術を利用することが、平和的であれば問題なく行えることを示しています。また、締約国は、自国の法律に従って、条約に違反しないよう必要な措置を取ることが求められています（第4条）。

苦情申立ての手続き

万が一、他の締約国が条約に違反している可能性がある場合、苦情を申し立てることができる仕組みも導入されています。締約国は国際連合の安全保障理事会に対してその信を持って行動することができ、必要な証拠を添付することが求められます（第5条）。

日本の参加

日本は1982年にこの条約に加入し、その際には条約の予防的な目的を強調しました。この加入により、日本も国際的な環境保全の取り組みに貢献しています。

改正と展望

条約自体は1984年と1992年に再検討が行われましたが、改正には至っていないため、現在も同じ内容で運営されています。国連は2013年に再検討会議の必要性について加盟国に意見を求めましたが、特に動きはありませんでした。

結論

環境改変技術敵対的使用禁止条約は、自然環境の保全と国際的な平和の維持に欠かせない重要な枠組みを提供しています。今後もこの条約に基づいた国際的な協力が求められるでしょう。

もう一度検索