環境野郎Dチーム

『環境野郎Dチーム』は、フジテレビ系列で2007年 4月16日から9月17日まで、毎週月曜日の深夜に放送されていたユニークな情報バラエティ番組です。番組名の由来は、1980年代に日本でも人気を博したアメリカのアクションドラマ『特攻野郎Aチーム』から着想を得ており、そのテイストを随所に感じさせるタイトルとなっています。

番組コンセプトと内容

この番組のタイトルに含まれる「D」には、「団塊」の世代、そして地球が抱える「Danger」（危険）な状況という二重の意味が込められていました。出演者は主に60歳前後のベテラン俳優たちで構成される「Dチーム」。彼らが中心となり、現代社会で喫緊の課題となっている「環境問題」をテーマに、地球が直面する様々な問題点を掘り下げ、それを団塊世代のみならず、あらゆる世代の視聴者へ分かりやすく訴えかけることを目指しました。

番組は情報バラエティという形式を取りながらも、ベテラン俳優陣が時には体を張ってリポートを行ったり、スタジオでシュールなコントに挑戦したりと、その異色のキャスティングからは想像しがたい演出が特徴的でした。特に、俳優たちの意図的な「棒読み」に近いセリフ回しも、番組独自の演出として捉えられていました。

出演者

Dチームを率いるリーダー兼MCを務めたのは伊吹吾郎です。チームメンバーには麻丘めぐみ、小野寺昭、大和田伸也、小倉一郎、笹野高史といった実力派の面々が名を連ねました。伊吹、麻丘、小野寺、大和田の4人はほぼ毎週出演し、小倉と笹野が交代で登場するという構成でした。彼ら熟年世代のDチームに対し、スタジオには毎回「ヤングゲスト」として若手の女性タレントやアイドルが登場しました。これは、番組の主題である環境問題を、団塊世代と若年層という大きく年齢の離れた世代が共に考え、理解を深める機会を提供するという意図があり、若年層視聴者の関心を引くことも目的の一つでした。多数のゲストが出演しましたが、中にはペットボトルリサイクルについての議論を深める回で、お笑い芸人の小島よしおが登場するというユニークな一幕もありました。

Dチームやヤングゲスト以外にも、番組にはフジテレビアナウンサーの平井理央がエンディングテーマを担当したり、特定企画の進行役としてクリスティーナが出演したり、ナレーションを政宗一成が務めたりと、様々なメンバーが番組を支えました。

番組構成と企画

番組は、Dチームメンバーによる日常会話風のオープニングトークから始まり、ヤングゲストの紹介へと続きました。その後、メンバーが環境問題の現場へ赴き、独自の視点で現状を体験・レポートするVTRコーナーがメインとなります。VTR明けのスタジオでは、DチームとヤングゲストがVTRの内容や環境問題についてトークを繰り広げますが、ここでも世代間の価値観や考え方の違いから生まれる、時には「噛み合わない」やり取りが番組の持ち味となっていました。番組のエンディングには、平井理央によるエンディングテーマが流れ、その後「吾郎とめぐみのおまけコーナー」が設けられていました。

「吾郎とめぐみのおまけコーナー」は、『お笑いマンガ道場』の同名コーナーを意識したパロディ企画で、伊吹吾郎と麻丘めぐみが視聴者からの環境に関する質問に答えたり、後述する「チーム・マイナス6%」としての活動を報告したりしました。二人の絶妙な掛け合いや、時間不足の際に決まって行われるやり取り、伊吹がサングラスをかけて登場するなどの演出が視聴者に親しまれました。

その他、番組では環境問題をかるたの形式で紹介する「環境かるた」や、環境問題に関する知識をクイズ形式で試す「クイズ環境問題」といったコーナーも不定期で放送され、楽しみながら環境について学べる工夫が凝らされていました。Dチームメンバーによるリポートも多岐にわたり、「絶滅危惧種の問題」、「生活排水による水質汚染」、「おしゃれリサイクル」、「富士山の落書き撤去」など、様々な角度から環境問題を取り上げました。

環境活動への参加とエピソード

番組の活動はテレビの中だけにとどまらず、Dチームは環境省が推進する「チーム・マイナス6%」の活動にも参加しました。伊吹吾郎がイベントで環境省の人物と知り合ったことがきっかけで加入を要請され、当初は伊吹が一時的に難色を示したものの、最終的には全てのDチームメンバーが正式に一員となりました。

番組中には、メンバーが話のテーマから逸脱しそうになった際に他のメンバーから注意を受けるという暗黙のルールが存在しましたが、番組のリニューアル後は緩和されました。また、番組エンディングの提供クレジット背景では、伊吹と大和田が人気お笑いコンビのネタを元にした掛け合いを披露するなど、最後までユーモアを忘れない演出が見られました。

番組は2007年 9月17日に終了しましたが、同年11月にはTBS系の音楽番組『うたばん』でDチームが特別に復活出演を果たし、得意の「環境クラシック」を披露するなど、そのキャラクターは番組終了後も一部で記憶されていました。放送期間中には、皮肉にも番組名の由来となった『特攻野郎Aチーム』の再放送が同時期に関東地区の別チャンネルで行われており、番組表に二つの「Aチーム」ならぬ「Dチーム」と「Aチーム」が並ぶという珍しい状況も見られました。

『環境野郎Dチーム』は、環境問題というやや硬質なテーマを扱いながらも、ベテラン俳優陣の個性とシュールな演出、そして世代を超えた交流を描くことで、情報バラエティとして独自の世界観を確立した番組と言えるでしょう。

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