環太平洋産業連関分析学会

環太平洋産業連関分析学会について

環太平洋産業連関分析学会（Pan Pacific Association of Input-Output Studies, PAPAIOS）は、産業連関分析の創始者であるワシリー・レオンチェフ教授（1973年ノーベル経済学賞受賞）によって設立された学術団体です。この学会は、環太平洋地域の科学技術者、経済学者、企業・政府のテクノクラート（技術官僚）が一堂に会し、対話と交流を行う場となることを目指しています。

学会の目的と活動

本学会は、産業連関分析に関する研究を推進し、その知見を社会に還元することを目的としています。主な活動内容は以下の通りです。

研究集会の開催: 年2回、全国大会（11月）と国際大会（3月）を開催し、研究成果の発表や意見交換を行っています。また、中国、韓国、台湾の関連学会との連携も積極的に行っています。
学術誌の刊行:
和文誌『産業連関 イノベーション＆ＩＯテクニーク』を刊行し、J-stageを通じて公開しています。
英文誌『Journal of Economic Structures』をSpringer Openを通じて刊行しています。
かつては英文誌『Journal of Applied Input-Output Analysis』も刊行していましたが、現在は休刊中です。
講習会・講演会の開催: 産業連関分析に関する知識や技術の普及を目的とした講習会や講演会を定期的に開催しています。
共同研究・受託研究: 会員の研究活動を支援するため、共同研究や受託研究を実施しています。
データベースの構築・利用: 産業連関分析に必要なデータベースの構築や、その利用を促進しています。

学会の沿革

本学会は、1989年、バブル景気の中で産官学の協力体制のもと、産業連関分析に関する学際的な学会を設立しようという機運が高まり、設立されました。尾崎巌（慶應義塾大学名誉教授）、筑井甚吉（大阪大学名誉教授）、宍戸駿太郎（筑波大学名誉教授）らが中心となり、財界からは中山素平（日本興業銀行（現みずほフィナンシャルグループ）頭取、経済同友会代表幹事などを歴任）らの協力を得て、ワシリー・レオンチェフを名誉会長に迎え、学会が設立されました。

当初、事務局は慶應義塾大学三田キャンパス内に置かれていましたが、学会の規模拡大に伴い、現在はガリレオ学会業務情報化センター内に移転しています。

歴代会長

学会の発展に貢献された歴代会長は以下の通りです。

名誉会長: ワシリー・レオンチェフ
初代会長: 尾崎 巌（慶應義塾大学教授）
第2代会長: 宍戸 駿太郎（筑波大学副学長、国際大学学長）
第3代会長: 黒田 昌裕（慶應義塾大学教授）
第4代会長: 清水 雅彦（慶應義塾大学教授）
第5代会長: 江崎 光男（名古屋大学教授）
第6代会長: 櫻井 紀久（電力中央研究所研究員）
第7代会長: 桜本 光（慶應義塾大学教授）
第8代会長: 長谷部 勇一（横浜国立大学教授）
第9代会長: 山田 光男（中京大学教授）
第10代会長: 稲葉 和夫（立命館大学教授）
第11代会長: 藤川 清史（名古屋大学教授）
第12代会長: 八木 尚志（明治大学教授）
第13代会長: 菅 幹雄（法政大学教授）
第14代会長: 石川 良文（南山大学教授）

関連情報

関連項目: 吉山博吉（元日立製作所社長、設立発起人）
産学連携: 産学連携による研究活動を推進
外部リンク: 環太平洋産業連関分析学会

おわりに

環太平洋産業連関分析学会は、産業連関分析という分野において、学術研究の発展と国際的な交流に大きく貢献している学会です。今後の更なる発展が期待されます。

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