生産管理局

生産管理局（Office of Production Management, OPM）

生産管理局は、1941年1月にアメリカ合衆国政府が設立した機関で、もともとは緊急管理局（OEM）の傘下に位置していました。この機関は、第二次世界大戦が迫る中で、国家の調達政策を効率的に統制する助けとなることを目的としました。当時、合衆国は戦争に直接関与していなかったものの、すでに準戦時体制が敷かれており、国家の生産力を戦争準備に向ける必要があったのです。

生産管理局の初代局長には、ゼネラル・エレクトリックの社長を務めていたウィリアム・S・ヌードセンが、年俸1ドル（実質的には無給）で任命されました。これは、彼がその役職において利益追求の意図がないことを示し、国家の利益のために尽力する姿勢を象徴していました。

この局は、特に軍需物資の取得に関しては強力な権限を持っていました。具体的には、軍用物資の価格管理まで行うことができたのですが、民需品の分野においてはその権限は限定されていました。しかし、戦争の影響で軍需品の需要が急増する中、民需品の生産能力との競争が発生し、これにより生産管理局は物価管理・民需品供給局（OPACS）との間でしばしば権限を巡る対立が生じました。

合衆国が正式に戦争に参入したのは1941年12月のことで、これに伴い、生産管理局の役割は次第に大きく変化していきました。1942年1月には新たに戦時生産委員会（WPB）が設立され、生産管理局が持っていた権限や責任は、この新たな機関に移管されました。これにより、生産管理局としての活動は次第に縮小し、最終的には廃止されることとなります。

生産管理局の設立と廃止は、いずれもフランクリン・D・ルーズベルト大統領の発した大統領令に基づくものであり、その動きは当時の戦時経済体制の変遷を反映したものだと言えるでしょう。この機関の役割は、アメリカ合衆国がどのようにして戦争体制に適応していったのかを理解する上で重要な一側面です。生産管理局を通じて、国家は軍需品の調達を効率的に進め、民間部門とバランスを取りながら国の生産能力を最大限に発揮しようとする努力が見て取れます。

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