生駒市立大瀬中学校

生駒市立大瀬中学校（いこましりつおおぜちゅうがっこう）は、奈良県生駒市小瀬町に所在する公立中学校です。地域では「大中（おおちゅう）」という通称で呼ばれています。生駒市の人口が継続的に増加した結果、生駒市立生駒南中学校の生徒数が急増し、教室不足が深刻化したことを背景に、教育環境の改善と適切な規模への分散を図る目的で設立されました。1984年、生駒南中学校から分離する形で開校しています。

沿革

本校の設立に向けた動きは、開校前年の1983年 6月に開校準備委員会が発足したことから始まりました。そして、計画通り翌1984年 4月1日に新たな学び舎として開校の日を迎えました。開校から30周年を迎えた2013年には、同年10月25日に記念式典が執り行われ、学校の歴史における節目が祝われました。

教育目標

生駒市立大瀬中学校では、以下の教育目標を掲げ、生徒たちの健全な成長を目指しています。

自主：自ら考え行動する力を育む。
ロマン（生きがいつくり）：興味関心を持ち、生きがいを見つけること。
友愛：友達を大切にし、互いに思いやる心。
愛（心の開きあえる仲間）：信頼できる仲間との関係を築くこと。
創造：新しいものを生み出す発想力と工夫する力。
感動（感動のある生活）：様々な経験を通して感動する豊かな心を養うこと。

これらの目標は、生徒一人ひとりが社会の中で自立し、他者と協力しながら充実した人生を送るための基盤を培うことを意図しています。

学校生活

年間を通して、生徒たちの成長を促す様々な学校行事や活動が行われています。4月には始業式、入学式、新入生歓迎会といった新年度の始まりを告げる行事が行われ、同時に家庭訪問や身体測定も実施されます。5月には中間テストが実施され、学習の定着度を確認します。6月は3年生が修学旅行に出かけ、1・2年生は校外学習で視野を広げます。生徒総会もこの時期に開催され、生徒たちの自治活動が促進されます。7月には1学期を締めくくる期末テストと終業式が行われ、短い夏季休業に入ります。8月上旬には学年登校日が設けられます。9月は始業式とともに文化祭が開催され、生徒たちの創造性や表現力が発揮されます。10月は体育祭でクラスや学年の団結を深め、中間テストも再び行われます。11月には期末テストと生徒会役員選挙が実施され、次年度の生徒会体制が決まります。12月には3年生の球技大会が行われた後、終業式を迎えます。1月には始業式があり、新たな学期のスタートとなります。2月には次年度の新入生を迎える一日入学が行われます。年度末の3月は数多くの行事が集中しており、学年末テスト、3年生を送る会、卒業式といった主要な行事に加え、地域貢献の一環としてのクリーンキャンペーン、1・2年生の球技大会、そして修了式が行われ、一年間の学びを終えます。

生徒会活動も活発で、生徒会本部を中心に、生活、給食、美化、図書、放送、保健、体育、文化といった多岐にわたる委員会が組織され、学校生活の向上に日々取り組んでいます。部活動も設けられており、多くの生徒が放課後や休日に熱心に活動しています。

学校施設と環境

校舎は主に北館、南館、体育館、そしてプールから構成されています。北館と南館は東西二箇所に設けられた連絡通路によって繋がれており、生徒たちはスムーズに各棟を行き来できます。かつてパターゴルフ場として利用されたこともある校舎に囲まれた中庭は、現在は人工芝が敷かれるなど景観が整備されています。学校が矢田丘陵の西斜面に位置しているため、周囲の視界が非常に開けており、特に生駒山の美しい姿を日常的に眺めることができる恵まれた環境です。また、中学校の正門近くの敷地内には、万葉集に詠まれた歌を刻んだ万葉歌碑が設置されています。この歌は秦間満によって詠まれたもので、「夕さればひぐらし来鳴く生駒山越えてぞ我が来る妹が目を欲ほり」という、生駒山を越えて恋しい人へ向かう心情が表現されています。

通学と地域

本校の主な通学区域は、生駒市内の壱分町、さつき台一丁目・二丁目、翠光台、南山手台、小瀬町の一部、萩の台および萩の台一丁目から五丁目、乙田町、白金台といった地域に広がっています。通学方法は原則として徒歩とされていますが、東山町に在住している生徒については、公共交通機関を利用した電車通学が認められています。多くの生徒は生駒市立壱分小学校、生駒市立生駒南小学校、あるいは生駒市立生駒南第二小学校から進学してきます。

交通アクセスとしては、奈良交通バスの小瀬バス停から歩いて約1分と非常に近い距離にあります。また、近鉄生駒線の南生駒駅からも国道308号を東方向へ徒歩約15分程度でアクセス可能です。学校周辺には、第二阪奈有料道路の小瀬料金所や、中村屋東生駒店といった施設が見られます。

近隣には、生駒市立生駒南中学校、生駒市立緑ヶ丘中学校、奈良市立富雄第三中学校、大和郡山市立郡山西中学校、斑鳩町立斑鳩中学校、平群町立平群中学校など、複数の公立中学校が隣接する通学区域を持っています。

特記事項

2016年8月16日午前、本校のハンドボール部に所属する1年生の男子生徒（当時12歳）が、部活動のランニング中に熱中症を発症し、緊急搬送される事態が発生しました。残念ながら、翌日の8月17日に搬送先の病院で死亡が確認されました。この件を受けて、2017年3月27日、生駒市は当該生徒の遺族に対し、損害賠償として3800万円を支払うことを決定しています。

関連情報

奈良県中学校一覧
生駒市立大瀬中学校公式サイト

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