生駒芳子

生駒芳子とは

生駒芳子（いこまよしこ）は、多岐にわたる分野でその才覚を発揮している日本のファッション・ジャーナリストであり、アート・プロデューサーです。彼女は工芸ブランドHIRUMEの総合プロデュースも手掛けており、ファッションとアートの境界を超えて独自の活動を展開しています。また、有限会社UNDERGROUNDの代表を務め、経済産業省の日本ものづくり大賞の選考委員など、公共の場でも重要な役割を果たしています。

経歴と背景

生駒芳子は兵庫県宝塚市に生まれ、両親は大阪出身です。学生時代には東京外国語大学でフランス語を専攻し、アートや文化に関心を持ちました。10代からはロックミュージックに心を奪われ、日記を付ける情熱的な一面も見せる彼女ですが、17歳の頃に「元始、女性は太陽であった」を読み、キャリアを大切にする決意をしました。

大学卒業後、1981年から1983年にかけて、編集プロダクション「ぐるーぷ・ぱあめ」でカメラマンや編集者として活躍。旅行雑誌の取材・撮影を手掛け合計し、80年代中頃からフリーランスとして活動を開始。特に「anan」や「ELLE Japon」、さらには朝日新聞の連載「新風新派」など、数々のメディアでファッションやアートをテーマにした執筆を行いました。

アートとファッションの交差点

80年代末からは、自費でパリやミラノのコレクションを取材し、アートイベントにも出足を運ぶようになります。1990年に著書「コムデギャルソンと川久保玲」の翻訳を手掛け、93年に三宅一生の展示『PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE』のカタログを編集。90年代にはホテルやアートプロジェクトのディレクションも行い、自身の専門分野を拡大。

1994年に出産を経験した後、出産をテーマにした著書『神経衰弱ギリギリの妊婦たち』を出版し、ワーキングマザーとしての視点が強調されています。

98年からはヴォーグ・ニッポンの創刊に携わり、ファッションの未来を形作り続けました。創刊時には副編集長に就任し、2004年からはマリ・クレールの編集長として、社会派の視点を持った新たなファッション雑誌を展開したのです。彼女の活動は、エコやチャリティ、社会貢献というテーマを華やかなファッションと結びつけ、広く社会に影響を与えるものでした。

現在の取り組み

2008年よりフリーランスとして活動を開始し、アート・プロデューサーとしても多様なプロジェクトを展開。エシカルファッションの普及やSDGs推進に取り組んでおり、NPO法人「サービスグラント」の理事としても活躍しています。特に、2010年以降は伝統工芸と現代ファッションをつなぐプロジェクトを推進し、現在の日本の文化を大切にしつつ、次世代へと受け継ぎたいという思いを持っています。

2019年には「INTERCONTINENTAL YOKOHAMA PIER 8」でのアート・工芸プロジェクトをディレクトし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに巻き込まれる形で、重要な委員会の職務に就くなど、その活動の幅はますます広がっています。

個人的な趣味と活動

趣味にはオーガニック・フード研究や香水、ジュエリー、映画鑑賞、歌舞伎と多彩な側面があり、アートや文化全般に対する関心が伺えます。生駒芳子の活動は、ファッションとアートにとどまらず広範な分野にわたり、多様性や持続可能性といった現代の重要なテーマを追求しているのです。

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