甦れ!ウルトラマン

映画『甦れ!ウルトラマン』の概要

『甦れ!ウルトラマン』（よみがえれ ウルトラマン）は1996年3月9日に松竹系で公開された短編映画である。この作品は、同時上映された『ウルトラマンゼアス』や『ウルトラマンカンパニー』とともに「ウルトラマン ワンダフルワールド」として発表された。

概要

本作はウルトラマンの最終回「さらばウルトラマン」のその後を描いた物語で、ゼットンとの戦いから1か月後、ウルトラマンと科特隊が未知の宇宙人（ゼットン星人）に操られた怪獣軍団と対決するオリジナルストーリーである。特筆すべきは、当時カタカナ表記のみであった科学特捜隊のメンバーの名前が、漢字で新たに設定されたことや、過去の映像を再編集し新規録音による台詞で構成された点だ。これにより、全く新しい物語が生まれた。

映画のパンフレットには続編の制作を匂わせる言葉があったが、その後俳優・小林昭二の死により実現できなかった。さらに、ウルトラマンが分身して5人の姿になるシーンや、エネルギーが尽きかけたウルトラマンがイデの開発したミサイルで復活する場面も新たに制作された。

ストーリー

物語はゼットンとの戦闘から始まる。ゼットンはムラマツ、アラシ、フジの攻撃によって一時足止めされ、イデの新兵器によって遂に倒される。しかし、その後1か月が経過し、百戦錬磨の科特隊に対して、怪獣との戦いで深い傷を負ったウルトラマンはスランプに陥っていた。アラシは「怪獣を倒しているのは自分たちだ」と発言し、ウルトラマンはもはや必要ないのではないかと考えさせてしまう。

その後、ハヤタはウルトラマンと一体となった自分の能力を使い、怪獣の総攻撃を予測する。しかし、そのことを話すことで自分がウルトラマンだということがバレてしまうのではないかと悩む。彼は危険を承知の上でその事実を伝えようとするが、イデが先に夢を語ったことから、宇宙のヒーローかもしれないと彼を疑うようになる。この時、謎の円盤軍が登場するが、それは立体映像であり、科特隊本部に侵入した宇宙人が博士を乗っ取って破壊活動を行う。

結局、宇宙人は部隊に倒されるものの、断末魔の声が怪獣総攻撃の前触れとなる。最初に現れたのはドドンゴだった。その後、多くの怪獣が一斉に現れ、ウルトラマンは新しい分身技「ウルトラセパレーション」を駆使してそれぞれの敵に立ち向かう。

ウルトラマンの戦い

ウルトラマンは5人に分身し、地球上の複数の怪獣に挑む。ところがその間にも科特隊本部が再度ゼットンの襲撃を受ける。ウルトラマンに戻ったハヤタは再びゼットンと戦うが、やはり苦しんでしまう。ウルトラマンのカラータイマーが点滅すると、イデが発明したスタミナカプセルが発射され、ウルトラマンはエネルギーを回復できる。

最後にウルトラマンは「マリン・スペシウム光線」という新技でゼットンを見事に倒す。戦いが終わり、科特隊は勝利を分かち合い、ハヤタの心にも久しぶりの笑顔が戻る。

特徴的な技

• - ウルトラセパレーション: 分身する技で、ウルトラマンがエネルギーを溜めることで使用される。劇中では5人に分身する。
• - マリン・スペシウム光線: イデが開発したミサイルを使用し、ウルトラマンのエネルギーを回復させた後に放つ技で、ゼットンに対して一撃の威力を誇る。

このように、『甦れ!ウルトラマン』は既存のストーリーラインを新たな視点で描き、ウルトラマンのキャラクターを深める作品として評価されている。

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