田中俊行 (怪談師)

田中俊行：怪談と呪物の探求者

田中俊行（1978年9月30日生まれ）は、イラストレーター、作家、YouTuberとして活動する、多才な人物です。特に、オカルトや怪談への造詣が深く、怪談師、呪物研究家としても知られています。数々の怪談コンテストでの優勝経験を持ち、その独特な語り口と知識で多くのファンを魅了しています。

生い立ちと事故

兵庫県神戸市灘区出身の田中俊行は、実家が魚屋を営む家庭で育ちました。幼少期は野球に打ち込む少年でしたが、中学生の頃に交通事故に遭い、九死に一生を得ます。この事故で記憶喪失となり、医師からは脳細胞が大きく損傷したと告げられたそうです。

学生時代と放浪

神戸村野工業高校（現：彩星工科高等学校）を卒業後、京都の美術大学を受験するも、寝坊が原因で不合格となります。その後、インドへ渡り放浪生活を送りました。帰国後は2年間無職でしたが、友人の紹介でセレクトショップでアルバイトとして働き始めます。その後、デザイナーのアシスタント（イラストレーター）のアルバイトを経験しました。

怪談師としての台頭

2013年、「稲川淳二の怪談グランプリ」で初出場にして初優勝を果たし、怪談師としての才能を開花させます。その後も、2016年に"最恐"怪談師決定戦「怪談王」で優勝するなど、数々の怪談コンテストで実績を残しました。

YouTuberとしての活動

2021年8月からは、YouTubeチャンネル「不思議大百科」のメンバーとしてYouTuberとしての活動も開始。2022年4月には自身のチャンネル「田中俊行チャンネル『トシが行く』」を開設し、怪談やオカルトに関する情報を発信しています。チャンネルでは、ゲストを招いての対談やパワースポット巡り、料理など、多彩なコンテンツを配信しています。

呪物との出会い

怪談ライブでお客さんから呪物を受け取るようになったことがきっかけで、呪物収集にのめり込むようになった田中俊行。特に、「チャーミー」という呪いの人形を手に入れたことが、その後の活動に大きな影響を与えました。チャーミーは、かつてあった老人ホームで複数の死者を出した曰くつきの人形で、田中俊行はこの人形との出会いを機に、呪物研究家としての道を歩み始めます。

著書と展示会

2022年10月には、初の著書「怖い部屋の話 ゾッとする間取りと事故物件」を出版し、作家としてもデビュー。その他にも、「呪物蒐集録」や「神戸怪談」など、多数の著書を執筆しています。また、早瀬康広と共に「祝祭の呪物展」を各地で開催し、収集した呪物を展示するなど、精力的に活動しています。

メディア出演

田中俊行は、テレビ番組にも多数出演しています。「北野誠のおまえら行くな。」や「緊急検証！」などのオカルト番組をはじめ、「全力！脱力タイムズ」や「クレイジージャーニー」などのバラエティ番組にも出演し、幅広い層に支持されています。

主な呪物

チャーミー: ある老人ホームで、この人形をかわいがると死ぬという現象が起きていた人形。田中俊行にとってビジネスパートナーであり、自宅ではドライな関係を保っているそうです。
匠の藁人形: 修験者が所持していた、釘が打ち込まれた巨大な藁人形。真冬の深夜に釘を打つような音が聞こえたり、近隣住民に憑依現象が起きたりするなど、数々の怪奇現象を引き起こしたそうです。
* 木目込み人形: 女性問題でもめていた人物が満州から持ち帰ってきた日本人形。持っていた人が悪夢を見るようになり、蔵に封印されていた。田中俊行がこの人形を受け取ってから体調を崩し入院。人形が原因と思われる夢を見るようになったという。

田中俊行は、怪談師、呪物研究家、YouTuber、作家として、多岐にわたる分野で活躍する、現代の異才と言えるでしょう。彼の今後の活動から目が離せません。

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