田中稔 (ジャーナリスト)

田中稔：社会民主主義の視点を持つジャーナリスト

田中稔（たなか みのる）は、1959年生まれの日本のジャーナリストであり、「社会新報」の編集長と「月刊社会民主」の編集長を兼務しています。社会民主主義の視点から、日本の政治や社会の問題を鋭く分析し、積極的に発言しています。

来歴と活動

千葉県出身。中央大学法学部を卒業後、1988年に日本社会党（現在の社会民主党）中央本部書記局に入局。「社会新報」編集長として、社会民主党の政策や主張を広く社会に伝える役割を担っています。

自社さ連立政権時代には、首相・村山富市の公邸付秘書を務め、政治の中枢で経験を積みました。その後は、ジャーナリストとして、日米安保体制における防衛利権の構造や原発問題など、社会の矛盾や不正を追及する取材活動を展開しています。

著書

田中稔は、精力的な執筆活動でも知られています。

『憂国と腐敗　日米防衛利権の構造』（2009年、第三書館、共著）では、日米安保を巡る防衛利権の構造を詳細に描き出し、問題点を指摘しています。
『隠蔽と腐敗　防衛省＝「日報」から「イージス・アショア」へ』（2018年、第三書館）では、防衛省における情報公開の問題やイージス・アショア計画の問題点を追及しています。
『忖度と腐敗　モリカケから「望月衣塑子」現象まで』（2019年、第三書館）では、森友学園・加計学園問題や望月衣塑子記者に対する圧力など、日本の政治における忖度や腐敗の問題を批判的に考察しています。

これらの著書は、いずれも社会的な反響を呼び、多くの人々に問題提起を行っています。

原発スラップ訴訟と国際的な支援

2012年、田中が週刊金曜日に執筆した記事を巡り、原発警備会社の経営者から名誉毀損訴訟を起こされました。この訴訟は、田中の言論活動を封じ込めることを目的としたスラップ訴訟であるとして、国内外のジャーナリスト団体やNGOから強い批判を受けました。

米国のジャーナリスト保護委員会（CPJ）は、この訴訟を言論妨害事件と位置づけました。
フランスのNGO国境なき記者団は、東京地裁に裁判の中断を求めるプレスリリースを発表しました。
アメリカのNGOフリーダム・ハウスもこの裁判を問題視しました。

これらの国際的な支援を受け、2013年8月、原告は訴えを取り下げ、裁判は終結しました。この事件は、言論の自由を守るために、国内外の連帯が重要であることを改めて示しました。

田中稔は、社会民主主義の視点から、日本の政治や社会の問題を鋭く分析し、積極的に発言するジャーナリストです。その活動は、言論の自由を守り、より公正で民主的な社会を実現するために、重要な役割を果たしています。

外部リンク

ジャーナリスト　田中稔 (@minorucchu) - X（旧Twitter）
国境なき記者団プレスリリース
* CPJ（米国のジャーナリスト保護委員会）のウェブサイト

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