田村春吉

田村春吉

田村春吉（たむら はるきち、1883年4月28日 - 1949年5月17日）は、日本の医学者であり、名古屋帝国大学、後の名古屋大学で総長を務めた人物です。皮膚科学研究の分野で大きな功績を残し、教育者としても多くの人材を育成しました。

生涯

1883年（明治16年）に東京府で生まれた田村春吉は、府立一中、第一高等学校を経て、1910年（明治43年）に東京帝国大学医科大学を卒業しました。卒業後は、東京帝国大学で副手、助手として勤務し、医学研究の基礎を築きました。

1916年（大正5年）には、愛知県立医学専門学校の教授に就任し、愛知県立病院の皮膚科部長を兼任しました。この時期に、臨床医としての経験を積むとともに、皮膚科学の研究に本格的に取り組み始めました。1918年（大正7年）には、医学博士の学位を取得し、研究者としての地位を確立しました。

1919年（大正8年）からは、皮膚科学の研究のためスイスに留学し、チューリッヒ大学で学びました。海外での研究活動を通じて、最新の医学知識や技術を習得し、国際的な視野を広げました。1923年（大正12年）に帰国すると、愛知県立医学専門学校が大学に昇格したことに伴い、県立愛知医科大学の教授に就任しました。

1926年（大正15年）には、県立愛知医科大学附属病院の院長となり、病院運営にも携わりました。1931年（昭和6年）には、大学が官立に移管され、名古屋医科大学の教授となりました。翌年には、名古屋医科大学の学長に就任し、大学の運営と発展に尽力しました。

1939年（昭和14年）には、名古屋医科大学が名古屋帝国大学に改組されると、教授兼医学部長として、大学の教育・研究体制の強化に貢献しました。戦後、名古屋帝国大学が名古屋大学と改称された後も、引き続き大学の運営に携わり、総長として大学の復興と発展に尽力しました。

田村春吉は、皮膚科学の研究において数々の業績を挙げるとともに、教育者としても多くの人材を育成しました。また、大学運営においてもリーダーシップを発揮し、名古屋大学の発展に大きく貢献しました。その生涯は、日本の医学の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。

参考文献

井関九郎『大日本博士録 第参巻』発展社、1926年。
帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第11版』帝国秘密探偵社、1935年。
人事興信所編『人事興信録 第13版（下）』人事興信所、1941年。
人事興信所編『人事興信録 第15版（下）』人事興信所、1948年。

外部リンク

* 田村春吉（国立国会図書館デジタルコレクション、デジタル化資料送信サービス限定公開）春光同門会編、名古屋大学医学部皮泌科春光同門会

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