田淵実夫

田淵 実夫（たぶち じつお）

田淵実夫は、1909年1月25日に広島県三次市で生まれた日本の俳人、政治家、そして民俗学者として知られています。彼は俳号「十風子」としても広く認識されています。

経歴

田淵は、関西大学を卒業し、さらに京都大学の大学院に進学しました。ここでは、言語学を専攻し博士課程を履修したものの、満期退学の道を選びました。その後、中学校や高校、そして大学で教鞭をとり、教育界に貢献しました。

1947年には衆議院議員総選挙に出馬し、日本社会党の公認候補として旧広島3区から立候補。見事に当選を果たし、政治の世界にも足を踏み入れました。しかし1949年の選挙では当選を果たせず、その後は広島市立図書館の館長などを務めることになります。また、広島市文化センターの管理者としても活動しました。

さらに、比治山女子短期大学や広島女学院大学などで教授職に就き、教え子たちに多くの知識を授けました。彼の研究は主に広島方言や石垣に焦点を当てており、地域の文化や歴史を深く掘り下げるものでした。

著作

田淵実夫の著書は多岐にわたり、民俗学や方言、そして俳句に関するものが多数存在します。

• - 『ちちしろ水 なつかしの動物民俗記』（1952年、学友館）
• - 『日本の石垣』（1967年、朝日テレビニュース社出版部）
• - 『石垣 ものと人間の文化史』（1975年、法政大学出版局）
• - 『広島の方言とその語源』（1977年、鼎出版社）
• - 『筆 ものと人間の文化史』（1978年、法政大学出版局）
• - 『動物風土記』（1979-1981年、全3巻、小峰書店）
• - 『いるかの海あびどりの海』（1980年、村上勉絵、小峰書店）
• - 『天牛水馬 句集』（1982年、東京美術）
• - 『瓢箪花咲く 俳諧風土』（1984年、牧羊社）
• - 『古里かなし』（1985年、牧羊社現代俳句選集）

また、以下の共著編や論文も手がけています。

• - 『写真集明治大正昭和広島 ふるさとの想い出200』（1981年、国書刊行会編）
• - 『日本の技 8 山陽・四国潮の技』（1983年、平川林木共編集、集英社）

結論

田淵実夫は、俳句を通じて日本の文化や風俗を継承し、また地域の言語や歴史を研究・発信した重要な人物です。彼の業績は今なお多くの人々に影響を与えており、その足跡は日本の民俗学や教育の分野において色濃く残っています。1991年3月8日にこの世を去りましたが、彼の残した作品や学びは今も多くの人々に読み継がれています。

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