田端克至

人物概要

1959年に生まれた日本の経済学者、田端克至（たばた かつし）は、現在、愛知大学経済学部で教授として活動している。彼の主要な研究分野は、国際的な経済関係を分析するオープンマクロ経済学、世界の金融市場や為替レートなどを扱う国際金融、そして広範な金融システムや理論に関する金融論に及ぶ。これらの分野において、教育と研究の両面で貢献を続けている。

学歴

田端氏の学究の道は、まず高崎経済大学経済学部から始まった。ここで経済学の基礎をしっかりと築き、1984年3月に卒業した。さらに専門性を深めるため、早稲田大学大学院経済学研究科に進学し、1987年に経済学修士課程を修了している。その後も研究を続け、2009年には千葉大学から博士（経済学）の学位を授与された。この博士論文は「国際通貨制度と資本取引の役割」と題されており、現代経済における国際的な通貨システムや資本移動の動向に対する彼の深い関心と専門的な知見を示すものである。

職歴

大学院修了後、田端氏はまず金融機関や研究機関で実務経験を積んだ。1989年からは社団法人信託協会調査部に勤務し、金融の実務に触れた。続いて1991年には大和総研経済調査部に入り、より専門的な経済調査・分析業務に従事した。これらの経験を経て、教育・研究者としてのキャリアを開始する。1995年に武蔵工業大学人文社会系の専任講師に就任し、高等教育機関での教え始めた。1996年には二松學舍大学国際政治経済学部へと籍を移し、助教授として活動。2003年には同大学で教授に昇任した。二松學舍大学教授を経て、現在は愛知大学経済学部の教授として、後進の育成と研究に力を注いでいる。また、国際的な視座を広げるため、2000年から2001年にかけてはアメリカ合衆国に滞在し、ニューヨーク州立大学バッファロー校で在外研究を行った経験も持っている。

研究分野と業績

田端氏の研究は、グローバル化が進む現代経済において重要な位置を占める国際金融やオープンマクロ経済学に焦点を当てている。国際的な資本移動、為替レートの変動要因とその影響、各国の金融政策が国際経済に与える波及効果など、国境を越える経済現象の分析を得意としている。特に、博士論文のテーマにも表れているように、国際通貨制度の歴史的変遷や現状、そしてグローバルな資本取引が世界経済や各国の金融システムに与える構造的な影響について、継続的に研究を深めている。

主な著作

彼の研究成果は、多くの学術論文に加え、単著および共著・編著として発表されている。

単著として、『為替レートと日本の機関投資家の投資行動』（『為替レートの変動と企業行動』に所収、八千代出版、2001年）がある。

また、以下の共著・編著にも執筆者として貢献している。

『株価指数先物・オプション』（経済法令研究会、1991年）
『金融入門』（昭和堂、1992年）
『国際金融市場の現状』（『大和投資資料』に所収、1993年）
『アメリカ経済の繁栄は続くのか』（東洋経済新報社、1999年）
『現代の金融―世界の中の日本』（第8章及び第9章を担当、昭和堂、2009年）
『みんなが知りたい アメリカ経済』（創成社、2020年）

まとめ

田端克至氏は、金融実務と学術研究の両方のバックグラウンドを持ち、日本の経済学界、特に国際金融やオープンマクロ経済学の分野において重要な役割を果たしてきた研究者であり教育者である。その多岐にわたる著作や論文は、現代の複雑な国際経済・金融システムを理解する上で貴重な資料となっている。

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