由井俊三

由井俊三：日本の鉱床学を牽引した地球科学者

由井俊三（ゆい しゅんぞう、1930年2月25日 - ）は、日本の地球科学者で、特に鉱床学の分野でその名を知られています。彼の研究は、日本の鉱床学の発展に大きく寄与しました。

経歴

1952年に東京大学理学部地学科を卒業後、住友金属鉱山株式会社に入社し、鉱山の調査・開発に従事しました。その後、東京大学大学院に進学し、修士課程を修了。九州大学工学部助手、秋田大学鉱山学部助教授を経て、1978年に弘前大学理学部教授、1986年7月には北海道大学理学部教授に就任しました。1993年3月に北海道大学を定年退職。

研究業績

由井俊三の研究は、多岐にわたります。

マンガン鉱床・含銅硫化鉄鉱鉱床の成因研究: 東京大学在学中から、マンガン鉱床の成因に関する研究に取り組みました。また、住友金属鉱山（株）勤務時代には、堆積物起源とされる含銅硫化鉄鉱鉱床の成因を追究しました。
鉱床生成時の酸化還元環境: 地層中に含まれる炭質物が、鉱床生成時の酸化還元環境に影響を与えることを考察しました。
EPMA測定値の補正: EPMA（電子線微小部分分析装置）の測定値の補正計算について検討し、補正式を提案しました。この補正式は、日本の多くの大学で利用され、様々な鉱物の組成決定に貢献しました。
北海道の鉱床調査: 北海道大学教授となってからは、北海道の鉱床の調査・記載とそれらの成因について研究し、多くの論文を発表しました。

学位

1964年6月、東京大学より理学博士の学位を取得しました。論文表題は「愛媛県基安鉱山の地質と層状含銅硫化鉄鉱鉱床」（英文）です。

退職後

北海道大学退職後は、長野県佐久町に在住していましたが、2003年9月21日夜、田口峠登山口付近でスクーターが発見され、消息不明となっています。

由井俊三は、鉱床学の分野において、その幅広い知識と旺盛な研究活動で、多くの研究者を育成し、日本の地球科学の発展に大きく貢献しました。彼の業績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

外部リンク

nkysdb: 由井俊三（なかよし論文データベース）
nkysdb: YUI Shunzo（なかよし論文データベース）

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