由利島 (敷設艇)

由利島（ゆりじま）について

由利島は、日本海軍に所属する敷設艇であり、平島型敷設艇の7番艇として知られています。この艦艇は、1942年11月30日に日本鋼管鶴見造船所で竣工し、その後、呉鎮守府に配属されました。由利島はその当初から、重要な護衛任務に携わり、特に太平洋戦争の激化する中で多くの艦隊を支援しました。

艦歴

由利島は、竣工後すぐに佐伯防備戦隊に編入され、パラオやサイパン、父島などへの船団護衛に従事しました。この時期、連合軍との戦闘が激化しており、船団の安全を確保するために重要な役割を果たしていました。

1944年7月1日、由利島は第1海上護衛隊に編入され、さらなる護衛任務に振り分けられました。8月には呉防備戦隊に移籍し、引き続きマニラやシンガポールなどへの船団護衛を担当しました。この期間中、由利島は多くの船団を護衛し、敵の攻撃から輸送船を守るために全力を尽くしました。

特に注目すべきは、1944年12月4日の出来事です。この日、米潜水艦に襲撃され戦没した「岸波」の生存者150名を、由利島は迅速に救助しました。この勇敢な行動は、艦艇の乗員たちの献身的な姿勢を示すものとなりました。

しかし、由利島の運命は1945年1月14日に大きく変わります。護衛任務中、マレー半島沖で米潜水艦コビアに雷撃を受け、戦没してしまいました。この悲劇的な出来事により、由利島はその役割を終えることになりました。その後、同年3月1日には正式に除籍されました。

参考文献

由利島に関する詳細な情報は、雑誌「丸」編集部の『写真 日本の軍艦 第14巻 小艦艇Ⅱ』や、防衛庁防衛研修所戦史室の『戦史叢書 海軍軍戦備<1> 昭和十六年十一月まで』に掲載されています。これらの資料を通じて、当時の艦艇の歴史や背景を深く理解することができます。

由利島の活躍は、当時の日本海軍の苦闘や戦局の変化を象徴するものであり、その歴史は今も多くの人々に語り継がれています。

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