甲陽高等商業学校

甲陽高等商業学校・甲陽工業専門学校の歴史

甲陽高等商業学校は、1940年に設立された私立の旧制専門学校です。この学校は、皇紀2600年という記念すべき年に、財団法人辰馬学院の手によって創設されました。設立当初、学校は西宮市今津高潮町にある甲陽中学校の別館を仮校舎として利用し、1941年に香櫨園地区に新校舎が完成しました。

設立の背景と初期の運営

甲陽高等商業学校の設立は、経済の発展と商業教育の重要性が認識される中での取り組みでした。1940年4月20日には仮校舎での第1回入学式が行われ、150名の学生が入学しました。その後、同年11月11日には新校舎の落成式が行われ、校歌も制定されました。1942年には報国団が結成され、校友会の活動も活発化しました。

教育課程の変更

しかし、時代は変わり、1944年には第二次世界大戦の影響により、学校は商業系から工業系へとシフトし、甲陽工業専門学校として新たに設立されることとなりました。この際、機械科と造船科が設けられ、学生数は217名に達しました。また、戦後には工業経営科も追加され、より専門的な教育が充実しました。

戦争の影響と廃校

戦争の影響は教育現場にも及び、1945年には空襲により校舎が損壊する事態が発生しました。特に、1945年6月と8月に行われた空襲では、多くの損害が出ました。このような状況の中で、第4期生が1945年9月に卒業式を迎えるも、学校の存続は次第に難しくなりました。

1946年には生徒募集が停止され、翌年の1948年3月には甲陽工業専門学校が正式に廃止されることが決定しました。これに伴い、卒業生たちによる同窓会「望洋会」が組織され、甲陽学院同窓会の一部として活動を続けています。

校地の変遷

甲陽高等商業学校および甲陽工業専門学校が使用していた校地は、1941年に香櫨園地区に移転した後も引き続き利用されました。この地は後に新制甲陽学院中学校に引き継がれ、現在も教育の場として機能しています。

結論

甲陽高等商業学校と甲陽工業専門学校の歴史は、日本の教育の変遷を反映した重要なものです。設立から廃校までの間、多くの学生に専門的な知識と技能を提供し、その卒業生たちが多様な分野で活躍していることは、学校の持つ遺産とも言えるでしょう。

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