男はつらいよ (映画)

『男はつらいよ』

概要

『男はつらいよ』（おとこはつらいよ）は、1969年8月27日に公開された日本の映画であり、いわゆる『男はつらいよ』シリーズの第一作目です。この作品は、長年にわたって愛される下町人情喜劇の基盤を築いた記念すべき作品で、当初はテレビドラマ版の最終回に対する視聴者の反発を受けて映画化されました。観客動員数は54万3000人で、同時上映された作品に『喜劇 深夜族』がありました。

ストーリー

物語は、車寅次郎（演: 渥美清）が14歳の頃、父と大喧嘩をして家を出てから20年の歳月が流れ、故郷の東京・葛飾柴又に戻るところから始まります。帰郷した彼は、お祭りの最中に親戚との感動的な再会を果たしますが、その後の展開は波乱万丈です。

寅次郎は、親代わりの親戚に誘われて妹さくらの見合いに参加しますが、彼の本性を知らない親戚たちは彼の酔っ払った言動に困惑し、結局、大げんかの末に柴又を去るはめになります。そんな中、彼は京都で出会った外国人夫婦とともに奈良へ行き、そこで幼なじみの冬子（演: 光本幸子）と再会。その瞬間、彼は冬子に一目惚れしてしまいます。

柴又に戻ると、寅次郎は妹の恋を応援することになります。印刷工の博（演: 前田吟）との縁談を進めることになった寅次郎は、最初は複雑な心境を抱えていましたが、博の正直な想いに触れ、さくらの結婚を応援する立場に変わっていきます。二人の結婚式は柴又の料亭で開かれますが、寅次郎にとっては父親が出席していることが複雑な感情を呼び起こします。

その後、寅次郎は冬子に通い詰め、柴又中で「寅さんの寺通い」として知られるようになります。冬子も寅次郎に優しく接し、彼の気持ちをさらに高めていきます。しかし、ある日彼女を男性と一緒にいるところを目撃し、寅次郎は衝撃のあまり落ち込んでしまいます。やがて、家族や近所の人々の噂になり、耐えられなくなった寅次郎は再び柴又を去る決意を固めます。

出演者

• - 車寅次郎：渥美清
• - さくら：倍賞千恵子
• - 坪内冬子：光本幸子
• - 御前様：笠智衆 など、多彩なキャストが作品を彩ります。

チーム

原作と監督は山田洋次で、ご覧のように多くの映画作りのスタッフが一貫して参加しています。

受賞歴

この映画は第24回毎日映画コンクールで監督賞を受賞し、渥美清が男優賞を獲得するなど、評価も高まりました。また、シリーズ全体はギネス世界記録に認定されており、映画史に名を刻んでいます。

ロケ地

撮影は主に東京、奈良などで行われ、多くの美しい風景を背景に巻き起こる人間ドラマが描かれています。サウンドトラックも多くのファンに愛されている重要な要素と言えるでしょう。

最後に

『男はつらいよ』は、単なるコメディではなく、深い人間ドラマや家族愛、友情を描く作品であり、今なお多くの人々に親しまれています。

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