男はつらいよ お帰り 寅さん

映画紹介：男はつらいよ お帰り 寅さん

『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、2019年12月27日に公開された日本映画で、シリーズの50周年を記念するものであり、通算50作目にあたります。本作は『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』以来22年ぶりの完全新作で、現代の「くるまや」とその周囲の人々の人間模様が描かれています。この作品は過去のシリーズ映像も交えながら、温かみのある物語が展開されます。

満男とイズミの再会

物語は、諏訪満男の妻の七回忌の法要から始まります。柴又の帝釈天のまわりでは、かつての「くるまや」がカフェに生まれ変わり、その裏手には昔の住居が存在しています。法要の後、昔の思い出話で盛り上がる中、満男は過去を振り返ります。彼は長年のサラリーマン生活を経て小説家としての道を歩んでおり、最新作の評判を受けてサイン会を行うことになりました。そして、列に並んでいたところで初恋の相手である及川泉と再会し、彼の心は大きく揺れ動きます。泉は現在、ヨーロッパに住んでいるため、再会は偶然でした。

満男は彼女に「君に会わせたい人がいる」と言い、JAZZ喫茶へと連れて行きます。そこでの経営者は、もう20年以上前に寅の恋人だったリリーであり、これがまた懐かしい再会となります。こうして、彼らの再会を通じて、寅との思い出が心によみがえり、過ぎ去った時間の重さとともに人々の関わりの大切さを痛感します。

音楽と製作背景

本作では、オープニングの主題歌をサザンオールスターズの桑田佳祐が担当しています。これは、山田洋次監督が桑田の音楽を長年のファンであったことから実現したもので、桑田も『男はつらいよ』シリーズの愛好者であることが明かされています。他にも、出版社の編集長役にはカンニング竹山がキャスティングされており、その起用の背景には山田監督がYouTubeで竹山の動画を見ていたことがあります。

受賞歴

『男はつらいよ お帰り 寅さん』は第44回日本アカデミー賞でいくつかの賞を受賞しており、優秀作品賞を含めた複数の部門で評価されています。また、日本映画批評家大賞でも編集賞が贈られるなど、高い評価を得ていることからも、本作のクオリティの高さが伺えます。

ロケ地について

本作は東京都や神奈川県、鳥取県など多くのロケ地で撮影が行われました。具体的には、柴又の参道や日本橋、鳥取砂丘などが含まれ、全国各地の魅力を視覚的に楽しむことができます。

まとめ

『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、昔の懐かしい思い出とともに新たな出会いや再会を描いた感動的な作品です。シリーズファンにとっては、過去のキャラクターたちとの再会が嬉しく、また新たな人々とのすれ違いや触れ合いが心温まる内容となっています。

もう一度検索