男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく

映画『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』の概要

1978年8月5日に公開された『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』は、シリーズ第21作目にあたる日本映画で、同時に『俺は田舎のプレスリー』が上映されました。この映画は、寅次郎の心の葛藤と、彼の周囲の人々との関係を描いています。

あらすじ

映画は、寅次郎が旅先で夢を見るところから始まります。夢の中で、彼は「第三惑星の宇宙人」として、とらやに帰ってきます。そこでは、猿型の宇宙人と源公に似た宇宙人に呼ばれ、地球から離れるという不思議な光景が広がります。

柴又の帝釈天では、踊り子たちが『東京踊り』の大入り祈願を行い、街の雰囲気は盛り上がっています。その中で、寅次郎は踊り子たちの行列に引き寄せられ、とらやに戻ります。帰った寅次郎は、病気を患っている竜造に見舞い金を渡し、人々を感動させますが、その後、とらやの将来について話し過ぎて家族に反感を買い、タコ社長とも喧嘩になって再び旅に出ることになります。

旅の途中、彼は田の原温泉で自動車整備工の留吉と出会い、意気投合します。しかし、宿代を貸してほしいとさくらに頼む手紙を送ってしまい、熊本まで彼女に迎えに来てもらうという失態も犯します。反省しながら戻った寅次郎は、店舗で真面目に手伝う一方、妹のさくらの学友である美しい女性、紅奈々子に出会います。彼女は松竹歌劇団のスターであり、寅次郎はその魅力に心を奪われてしまいます。

奈々子との関係の深まり

奈々子と旧友としての親交を深めた寅次郎は、彼女との時間を楽しみ、二人で浅草のレビューを観覧します。しかし、留吉が上京した際に、奈々子と親しくなるという状況が展開し、さらに彼との関係が複雑化します。

ある日、深刻そうな表情でとらやを訪れた奈々子は、好きな男がいるとさくらに告白します。この事実に心を痛めた寅次郎ですが、奈々子が踊りの仕事を辞めるつもりはなく、今は結婚を考えていないと聞いて心が救われます。彼女を雨の中、自宅まで送った寅次郎は、間に合わずに奈々子と劇場の照明担当の隆が再会し、彼らが抱き合う姿を窓越しに目撃することになってしまいます。

別れと成長

奈々子から結婚の決意を聞かされた寅次郎は、彼女の幸せを願いながらも、自分が彼女に踊りを辞める選択をさせることはなかったと後悔の念を抱きます。旅に出る決心をして、彼の人生は再び動き出すのです。また、留吉は東京での失恋を経て、寅次郎の目の前で再び女に振られてしまいます。

劇中のエピソード

本作には松竹歌劇団のシーンが多く含まれており、さくら役の倍賞千恵子は実際に同団体出身です。映画内での舞台や特撮映像には、具体的な設定や実在する場所が使用されています。観客動員数189万7000人、配給収入は12億2800万円と、多くの支持を受けた作品です。

まとめ

『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』は、寅次郎の愛情や友情の葛藤を描いた物語で、彼の成長を追った感動的な作品です。彼の旅と人間関係は、私たちに人生の様々な選択や出会いの大切さを教えてくれます。

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