男はつらいよ 寅次郎純情詩集

男はつらいよ 寅次郎純情詩集

『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』は、1976年公開のシリーズ第18作。本作では、寅さんが小学校の産休代替講師である雅子先生に一目惚れすることから物語が始まります。しかし、寅さんの恋は思わぬ方向に進んでいくことになります。

あらすじ

寅さんは、いつものように旅先から柴又へふらりと帰ってきます。そこで出会ったのが、満男の小学校の先生である雅子先生でした。寅さんは雅子先生に一目惚れしますが、年の差を考えずに出しゃばった行動に出てしまい、博を怒らせてしまいます。寅さんはとらやを飛び出し、旅先で知り合った旅芸人一座と再会しますが、無銭飲食で警察に留置される始末。

そんな中、雅子先生に連れられて彼女の母親である綾がとらやにやってきます。綾は柴又の名門出身で、寅さんやさくらの幼い頃も知っていました。寅さんは綾の寂しさに惹かれ、献身的に尽くしますが、さくらは雅子先生から綾が余命わずかであることを知らされます。

綾の葬儀後、寅さんは雅子先生を訪ね、感謝の言葉を受けます。そして、綾にふさわしい店の話をする寅さんに、さくらは涙ぐむのでした。その後、寅さんは雅子先生が転勤した新潟を訪れ、雪の中で再会を喜びます。

作品の見どころ

京マチ子演じる綾の存在感: 柴又の名家のお嬢様でありながら、どこか世間知らずで儚い綾を京マチ子が演じ、寅さんとのほのぼのとした交流の中で、その魅力を発揮しています。
寅さんの純粋な優しさ: 綾の寂しさを埋めようと献身的に尽くす寅さんの姿は、観る人の心を温めます。見返りを求めない、寅さんの純粋な優しさが印象的です。
シリーズには珍しい雪のエンディング: これまでのシリーズ作品とは異なり、本作のエンディングは雪景色の中で終わります。この雪景色が、どこか物悲しい物語に一層の深みを与えています。

スタッフ・キャスト

監督・原作: 山田洋次
脚本: 山田洋次、朝間義隆
出演:
車寅次郎: 渥美清
諏訪さくら: 倍賞千恵子
柳生綾: 京マチ子
柳生雅子: 檀ふみ

作品が描くもの

『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』は、寅さんの恋模様を描きながらも、人の優しさや温かさ、そして人生の儚さを描いた作品です。観る人それぞれに、様々な感情を抱かせるでしょう。シリーズの中でも少し異質な雰囲気を持つ本作は、ぜひ一度ご覧いただきたい作品です。

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