男大空

男大空

『男大空』（おとこおおぞら）は、原作を雁屋哲、作画を池上遼一が担当した漫画作品であり、1980年から1982年まで『週刊少年サンデー』（小学館）に連載されました。全15巻が少年サンデーコミックスから刊行され、その後MFコミックス（メディアファクトリー）からも再版されています。本作は、両著者のデビュー作である『男組』の後継作として位置づけられ、同じコンビにより制作されたものです。

物語の背景には、主人公とそのライバルが登場し、彼らの信じる正義や理念を力強く表現しています。彼らは国家レベルの権力や巨額の財産を手に入れつつ、自らの肉体を武器に戦うというテーマが共通しています。しかし、前作に比べると、登場人物の性格や全体のトーンはより明るく描かれており、選ばれる拳法も架空のものが多いです。

あらすじ

物語は、祭コンツェルンの総帥である祭万作が汚職を暴こうとした矢先に暗殺されるところから始まります。この暗殺は、日本最大のコンツェルンである東西財閥を背後に持つ鬼堂親子による陰謀でした。

祭家の末子である祭俵太は、かつての父の無念を晴らすため、鬼堂凱を打倒しようと決意します。彼は寺で厳しい修行を重ね、千手招魔（せんじゅしょうま）の技を追求し、心眼を開いてあらゆる技を見極める力を得ます。そして、志を共にする仲間たちと共に、この社会を愛に満ちた楽しい場所へと変えようと奮闘します。一方、俵太の宿敵である鬼堂凱は、歴史的に日本を支配してきた寿羅木家の権力を手に入れ、さらに中国拳法の殺人技である暗黒拳法を継承しています。二人は互いに命を懸けて戦い続けることになります。

登場人物

• - 祭 俵太（まつり ひょうた）

主人公であり、祭家の五男。彼は乱暴で直情的ながらも情に篤い性格を持ち、新宿を中心に暴力団狩りを楽しむ喧嘩好きです。権力者を打ち負かすために、若者を集めて互いに鍛え合う場を提供するべく、荒廃した百合香（ユリイカ）学園の校長として乗り込んでいきます。

• - 鬼堂 凱（きどう がい）

東西財閥の後継者で、金の力を駆使して政財界を支配している存在です。また、古柔術の達人であり、過去の覇者たちを自らの先輩として見做すほどの英雄願望を抱いています。ビジネスの世界でも第一線で活躍しながら、犯罪者予備軍を養成する学園を運営し、そのネットワークを駆使して日本の実権を握る野望を抱えています。

書誌情報

• - 少年サンデーコミックス

1980年9月 - 1982年12月、小学館、全15巻

• - MFコミックス

2003年8月 - 2004年5月、メディアファクトリー、全10巻

本作は、単なる戦いの描写にとどまらず、友情や信義、理想を抱いた若者たちの成長を描いており、多くの読者に愛される作品となっています。

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