男女共同参画社会基本法

男女共同参画社会基本法について

男女共同参画社会基本法（以下、基本法）は、1999年6月23日に制定された日本の法律で、男女平等を促進するための枠組みを提供することを目的としています。主に内閣府が主管し、3章26条から構成されるこの法律は、男女が対等な社会の構成員として機会を持ち、さまざまな分野において平等に参画することを目指しています。

基本法の理念

基本法は、男女共同参画社会の実現に向けて、次の五つの基本理念を掲げています。これにより、男女が互いに尊重し合いながら共生する社会を目指します。

1. 男女の人権の尊重: 男女が持つ人権を平等に認め、それぞれがその権利を享受できるようにします。
2. 制度や慣行の配慮: 社会制度や慣習には、男女共同参画を実現するための配慮が求められます。
3. 政策への共同参画: 政策を立案し決定する際には、男女が共に参加できる場を設置します。
4. 役割の両立: 家庭生活や仕事、地域活動が両立できるような社会を目指します。
5. 国際的協調: 国際的な基準に基づき、男女共同参画に取り組む姿勢を持ちます。

基本法の構成

基本法は以下の主要な章から成り立っています。

• - 前文: 基本法の趣旨と目的を明文化。
• - 第1章 総則: 法の適用範囲や基本理念について。
• - 第2章 基本的施策: 男女共同参画を促進するための施策を定めています。
• - 第3章 男女共同参画会議: 男女共同参画に関する施策を検討するための会議の設置。
• - 附則: その他の規定。

基本計画の変遷

この基本法の下には、いくつかの基本計画が策定されています。各計画は、時代ごとの社会状況や課題に応じて見直され、進化しています。

第2次男女共同参画基本計画

この計画では、男女の実質的な機会平等を求め、特に女性国家公務員の採用や登用を促進する方針が盛り込まれました。ただし、自由民主党の一部からは「ジェンダー」や「ジェンダーフリー」の言葉に対する批判があり、その表現は見直されています。

第3次男女共同参画基本計画

この計画では、2020年までに女性の人材比率を30％に引き上げることが目標とされていましたが、実際には目標未達成に終わり、次回計画に先送りされました。

最近の動向

第5次男女共同参画基本計画においては、2020年代の早い段階で30％の女性比率を目指す方向性が示されています。また、選択的夫婦別姓制度の具体的な議論も進められており、社会全体の意識を見直す重要な機会として位置付けられています。

課題と議論

アファーマティブ・アクションに関する議論も行われています。この措置には賛否があり、自由な競争の妨げになるのではないかという懸念が示されています。一方で、男女の平等が進むためには、多少の優遇措置が必要であるとの意見も根強いものがあります。

結論

男女共同参画社会基本法は、男女平等の実現を目指した重要な法制度です。その進展には、社会全体での理解と協力が欠かせません。これからも、男女が共に活躍できる社会を築くための道筋を提示していくことが求められています。

もう一度検索