留夜別村

留夜別村について

留夜別村（るよべつむら）は北海道根室振興局国後郡に位置する村で、国後島の東側の大部分を占め、その面積は国内の村の中で3番目に大きいです。しかし、2023年現在、この村を含む北方領土については日本の施政権は及んでいないため、法的には存在するものの実質的には無人の地帯として知られています。現在、村内に存在した集落はすべて廃村となっており、ロシア側が設置した国立公園の管理官のみがその地域に留まっています。

地理と名称の由来

「ルヨベツ」という名前は、アイヌ語の「ルヨペッ（ルイオペッ、ruy-o-pet、砥石・群在する・川）」に由来しています。この名称は、元々「砥石が多く生息する川」を意味しており、現地にはアイヌの人々により砥石として用いられた溶結凝灰岩の礫が散在していたことに因んで名付けられました。「ルイオペッ」はゆっくり発音される際にはそのままですが、「y-o」の部分が連音化して「ヨ」となり、最終的には「留夜別」という漢字が当てられています。

自然環境

留夜別村はその地理的特長によって、多彩な山や河川、湖沼が存在しています。特に、代表的な山々には爺爺岳やルルイ岳、エビカラウス山、擂鉢山などがあり、河川としてはソコボイ川、音根別川、チクニ川が流れています。また、西ビロク湖、東ビロク湖、オン湖、オンネ湖、ニキショロ湖といった水体も点在し、周囲の自然は非常に豊かです。岬には安渡移矢岬、ルルイ岬、留夜別岬、赤石鼻があり、これらの景観もまた地域の魅力を高めています。

村内の地名

村内には様々な地名が存在しており、その中には大字 留夜別村や、留夜別、礼文磯、乳呑路、植内といった集落がありました。それぞれが個性的な歴史と文化を持っていましたが、現在は廃村として残されている場所が多いのです。例えば、乳呑路や植内は以前は重要な集落であり、その名は今だに人々の記憶に残っています。

歴史的背景

留夜別村の歴史は1923年に始まり、同年に留夜別村と大滝村が合併して二級町村として成立しました。その後の村長には岩城其一氏や福島愛之助氏などが名を連ね、1945年以降はさまざまな変遷を経てきました。これらの村長たちは地域の発展に寄与しており、当時の行政を支えました。

現在の状況

留夜別村は現在、傍に広がる自然環境において静寂が支配する無人の地帯となっています。廃村となった集落が存在し、その歴史を知る者も少なくなっています。地域の産業は遅れを取り、唯一ロシア側による観光資源開発が行われることがあります。

このように、留夜別村はかつては活気を呈していた場所であったものの、今はその文化と歴史が忘れられつつあります。アイヌの文化や自然環境の豊かさを再認識することが、今後の発展に繋がるのかもしれません。

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