病院で死ぬということ

本書とその周辺

『病院で死ぬということ』は、医師の山崎章郎が実体験を基に執筆したノンフィクションの書籍で、1990年10月に主婦の友社から刊行されました。この作品は病院での死というテーマを考察し、多くの読者に感動を与えてきました。その影響力を受けて、1993年には映画化、続いて1994年にはテレビドラマとしても放送されました。

映画化の経緯

映画は市川準監督により1993年に制作され、公開後の評価も高く、キネマ旬報ベストテンでは第3位に選出されるなど、多くの観客の心に残りました。また、1995年のエーテボリ映画祭や2004年のファーイースト映画祭といった国際映画祭にも招待されるなど、その内容は国内外で注目されました。実際、映画は1994年8月26日にVHS形式で発売されましたが、現状ではDVD化はされていません。

映画のあらすじとキャスト

映画では、山岡医師を岸部一徳が演じ、その他にも川村健二（山内明）、野口敏夫（塩野谷正幸）など、実力派のキャストが揃いました。ストーリーは、病院での医療の実態や、患者の心の葛藤、医療者としての思いに焦点を当てています。これにより、観客は医療の現実に触れ、死というテーマを深く考えさせられる内容になっています。

スタッフと受賞歴

映画のスタッフには、監督・脚本を務めた市川準のほか、音楽の板倉文、撮影の小林達比古、美術の間野重雄、編集の渡辺行夫などが名を連ねています。受賞歴としては、第48回毎日映画コンクールでの監督賞をはじめ、文化庁優秀映画作品賞やオルレアン映画祭グランプリなど、数多くの栄誉を受けています。

テレビドラマ化

その後、1994年6月27日には続編がTBSの月曜ドラマスペシャルで放送され、タイトルは『真昼の月〜続・病院で死ぬということ〜』でした。本作は山崎章郎の続編『続 病院で死ぬということ―そして今、僕はホスピスに』が原作となっています。

ドラマのあらすじとキャスト

ドラマでは、大竹しのぶや役所広司といったビッグネームがキャストとして参加し、医療現場での人間関係や患者の苦悩、家族との関わりといったテーマを巧みに描写しました。視聴者に深い感動を与える作品として評価され、第12回ATP賞'95ではフィクション部門の優秀賞を受賞し、更に「ベスト20番組」として選出されるなど、高い評価を得ました。

まとめ

『病院で死ぬということ』は、医療のリアルな姿を描いた作品として、書籍だけでなく、映画やドラマにおいても多くの人々に感動を与えています。原作者である山崎章郎の経験を通じて、読み手や視聴者は死に向き合うことの重要性を感じることでしょう。この作品の影響は今なお色あせることがなく、医療の現場での思索を促す貴重な資料として、多くの人に受け入れられ続けています。

もう一度検索