病院天幕

業務用天幕（病院用）



陸上自衛隊の業務用天幕（病院用）は、主に衛生科が運用する野外医療活動用の装備です。かつては病院天幕とも呼ばれていました。1994年（平成6年）から調達が開始され、災害派遣や訓練などで活用されています。

概要



この天幕は、野外で医療行為を行う際に展開・使用されます。軽量で持ち運びやすく、設営も比較的容易に行えるのが特徴です。基本的な構造は業務用天幕（一般用）と同じですが、医療用として特有の改良が加えられています。

諸元



  • - 全長：5000mm（展開時）
  • - 全高：2700mm（展開時）
  • - 全幅：6000mm（展開時）
  • - 軒高：1800mm（展開時）
  • - 収容ベッド数：10床
  • - 重量：224kg
  • - 床面積：30m²

特徴



  • - 連結・分割が可能: 中央に支柱がないため、複数の天幕を連結して使用したり、必要に応じて分割して運用できます。これにより、現場の状況に応じた柔軟な展開が可能です。
  • - 衛生面への配慮: 内部の衛生状態を高く保つため、入口が別体式の凸型構造になっています。これにより、外部からの汚染物質の侵入を抑制する効果があります。
  • - 広々とした内部空間: 幅が6mと、業務用天幕（一般用）より1m長く、床面積は30㎡です。これにより、簡易ベッドを10床（5組×2列）設置することができ、患者の収容能力を確保しています。
  • - 補助的な用途: 空調システムがないため、本格的な外科手術には不向きです。主にトリアージ、野外手術システムで治療を終えた患者や軽傷者の看護場所として利用されます。また、災害時には、応急処置や患者の休息場所としても活用されます。

製造



以下の企業が製造に携わっています。


運用



業務用天幕（病院用）は、その機動性と展開の容易さから、災害派遣、訓練、野外での医療活動において重要な役割を果たします。医療チームは、この天幕を速やかに設営し、医療活動の拠点として活用します。また、複数の天幕を連結することで、大規模な医療スペースを確保することも可能です。

関連装備




参考文献




関連項目



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