痛ぶる恋の、ようなもの

痛ぶる恋の、ようなもの：スマホが映し出した、歪んだ愛の物語

2024年3月8日（7日深夜）から3月29日（28日深夜）にかけて、テレビ東京系列の「木ドラ24」枠で放送された『痛ぶる恋の、ようなもの』。テレビ東京ドラマ初主演となる望月歩さんが主人公を演じ、多くの視聴者の心を掴みました。

本作は、This is LASTの楽曲の世界観を原案に、現代社会における若者の恋愛観や、スマホアプリを通して垣間見えるリアルな人間関係を繊細に描いた作品です。フィルターなしのリアルな投稿が特徴のスマホアプリ「モータス」を通して、主人公は思いがけない真実を目撃することになります。

物語の中心：揺れ動く感情と、終わらない恋

主人公の根津晴は、芸術大学で映像制作を学ぶ3年生。初めての監督作品制作に挑む中で、主題選びに悩み苦しんでいます。そんな晴の傍らには、カメラマンの同期・吉川和也、そして、晴の後輩で気になる存在である臼井都がいます。

物語は、臼井都の「モータス」投稿の中に映り込んだ、晴の恋人・久我ユリの浮気現場の目撃から始まります。ユリは多くの男性と関係を持つ浮気性な女性です。この衝撃的な事実を目の当たりにした晴は、激しい葛藤に苛まれます。「ダメだと分かっているのに、心が離れない」。そんな複雑で、痛みを伴う恋愛が、大学生活という舞台の中で展開していきます。

登場人物：それぞれの思惑と葛藤

物語を彩る登場人物たちは、それぞれに悩みを抱え、複雑な人間関係を築いています。

根津晴（演：望月歩）：映像制作に情熱を燃やす主人公。恋人の浮気という衝撃的な事実と向き合いながら、自身の作品制作、そして揺らぐ恋心と葛藤する姿が描かれます。
久我ユリ（演：小川未祐）：晴の恋人。自由奔放で、多くの男性と関係を持つ。その行動の裏に隠された複雑な感情は、物語を通して少しずつ明らかになっていきます。
臼井都（演：河村花）：晴の後輩。晴に好意を抱いていますが、複雑な状況の中で、どうすればいいのか悩みます。
赤澤勇貴（演：杉田雷麟）、吉川和也（演：櫻井健人）、金森恭子（演：藤井千帆）、横山英志（演：河原楓）、山内琢磨（演：佐久間祥朗）：晴を取り巻く友人や周囲の人々。それぞれが自身の役割を担いながら、物語に奥行きを与えます。

さらに、赤澤監督の映画に関わるスタッフなど、ゲストキャストも物語を盛り上げます。

緻密に描かれた人間関係と、現代社会への問いかけ

『痛ぶる恋の、ようなもの』は、単なる恋愛ドラマにとどまりません。スマホアプリという現代社会の象徴的なツールを通して、人間の複雑な感情や、現代社会における人間関係の在り方について問いかける、深く考えさせられる作品です。

監督を務めた山元環氏、脚本を担当した山元環氏と灯敦生氏によって、登場人物たちの心情や葛藤が丁寧に描かれ、視聴者の共感を呼びました。This is LASTの主題歌「アウトフォーカス」も、物語の世界観をさらに深める重要な役割を果たしています。

このドラマは、恋愛における痛みや葛藤、そして現代社会が抱える問題を、繊細かつリアルに描いた、記憶に残る作品として、高く評価されています。

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