発熱相談センター

発熱相談センター

発熱相談センターは、日本の行政における臨時組織の一つで、新型のウイルス性呼吸器感染症の拡散を防ぐために設置されています。具体的には、このセンターは新型感染症にかかっている可能性がある患者が、直接医療機関を訪れる前に電話で相談できる窓口として、主に保健所に設けられています。

目的と機能

発熱相談センターの主な目的は、感冒様の症状を持つ患者の中から新型インフルエンザに感染している人を特定し、適切な「発熱外来」に隔離することです。これにより、一般の診療所や病棟を通じて新型ウイルスが広がるのを防ぐことを目指しています。相談を受けた患者の症状をもとに、その感染の可能性を判断し、高リスクの患者を専門の外来へと誘導します。

設置の背景

発熱相談センターの設置は、2009年に新型インフルエンザの流行を受けて行われました。厚生労働省の健康局が中心となって、審議会や専門家会議での検討を経て、全国の保健所に設置が決定されたのです。この体制は、ウイルスの感染拡大を抑えるための重要な対策として位置づけられています。

2009年の設置経緯

新型インフルエンザに関する対策は、2002年の高病原性鳥インフルエンザの感染から始まり、その後様々な事件を踏まえて検討が進められてきました。2007年には専門家会議が設立され、新型インフルエンザ対策に関するガイドラインも策定されました。そして、2009年に新型インフルエンザの状況が悪化したことから、全国各地の保健所で発熱相談センターが運用を開始しました。

2020年の再設置

新型コロナウイルスの流行に伴い、発熱相談センターは再び設けられました。各都道府県および政令指定都市において、帰国者や接触者を対象とした相談センターが設立されましたが、国内での感染が拡大するにつれ、名称や機能が見直されました。東京都や神奈川県、横浜市などでは、具体的な名称をつけた相談窓口が開設され、より多くの人々が迅速に相談できる体制が整いました。

設置状況

2020年2月1日、厚生労働省は各都道府県に対して発熱相談センターの設置を指示しました。これにより、2月20日までには500か所以上の相談センターが設立され、相談件数は1万3900件に達するなど、需要の高まりが伺えます。

結論

発熱相談センターは、新型ウイルス感染症の拡大を防ぐ上で重要な役割を果たしています。特に、症状が疑われる患者が効果的に管理されることで、医療機関への過剰な負担を軽減し、感染拡大防止に寄与しています。今後も、これらの体制が維持され、より迅速で効果的な対応が求められるでしょう。

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