発破技士

発破技士とは

発破技士は、労働安全衛生法によって定められた国家資格の一つです。この資格は、発破技士免許試験に合格し、都道府県労働局長から免許を交付された者に与えられます。主に、採石場や建設現場などの発破作業に従事するために必要な資格です。

発破技士の業務

発破技士は、発破作業における一連の業務を担当します。具体的には、以下の業務が含まれます。

穿孔（せんこう）: 発破を行うための穴を掘る作業
装填: 掘った穴に火薬を詰める作業
結線: 電気発破の場合、電気雷管を配線する作業
点火: 発破を行うための点火作業
不発の際の残薬点検と処理: 発破が不発だった場合に、残った火薬の点検と安全な処理を行う作業

これらの業務は、発破技士のほか、火薬類取締法に定める火薬類取扱保安責任者や、鉱山保安法に定める鉱山保安技術職員も従事することができます。

免許交付要件

発破技士の免許を取得するためには、試験に合格するだけでなく、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

1. 学歴と実地修習: 大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校で応用化学、採鉱学、土木工学に関する学科を専攻して卒業し、その後3か月以上発破業務についての実地修習を経験していること。
2. 実務経験: 発破の補助作業業務に6か月以上従事した経験があること。
3. 講習修了: 厚生労働大臣が定める発破実技講習を修了していること。

これらの要件は、2012年3月31日までは免許試験の受験資格要件でしたが、法改正により、2012年4月1日以降は免許交付時の要件に変更されました。免許の交付申請は東京労働局長に対して行います。

発破実技講習

発破関係の学歴や実務経験がない方、またはこれから発破の業務に就こうとする方を対象に、公益社団法人全国火薬類保安協会が発破実技講習を実施しています。この講習は2日間にわたり、学科と実技が行われます。講習を修了すると、発破技士試験の免許交付要件を満たすことができます。

講習科目

学科: 火薬類の取扱いに関する座学講習、発破用具と模造火薬類を用いた座学講習、修了試験
実技: 穿孔、火薬類の装填、電気雷管の結線、退避、点火、発破後の点検などの見学、導火線発破の実習、電気発破の実習

発破技士免許試験

発破技士の試験は、各地の安全衛生技術センターで実施されます。旧制度で交付された導火線発破技士免許や電気発破技士免許の所持者は、試験科目の一部（「火薬類の知識」及び「火薬の取扱い」）が免除されます。

試験科目

試験は学科のみで、実技試験はありません。

火薬類の知識
火薬類の取扱い
発破の方法

受験資格

受験資格は特に定められておらず、誰でも受験することができます。かつては受験資格要件がありましたが、法改正により、免許交付要件に変更されました。

関連資格・法律

発破作業に関連する資格や法律として、以下のものが挙げられます。

火薬類取締法
火薬類製造保安責任者
火薬類取扱保安責任者
火薬類取扱従事者手帳
導火線発破技士／電気発破技士（旧制度）
コンクリート破砕器作業主任者
鉱山保安技術職員
労働安全衛生法による免許証

参考資料

労働省安全衛生部安全課編『新・発破技士テキスト』（中央労働災害防止協会）
公益財団法人安全衛生技術試験協会
* 公益社団法人全国火薬類保安協会

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