登録販売者

登録販売者とは

登録販売者とは、2009年の規制改革によって生まれた、一般用医薬品の販売に関わる資格です。ドラッグストアや薬局で、薬剤師と共に一般用医薬品を販売する役割を担います。

資格の概要

登録販売者は、都道府県知事の認定を受け、国が任用する公的資格とされています。国家資格としての明確な位置づけは議論の余地がありますが、総務省の国の資格制度一覧には、厚生労働省所管の制度の一つとして記載されています。

受験資格の変遷

かつては学歴や実務経験が受験資格として必要でしたが、2015年以降はこれらの要件が撤廃され、誰でも受験できるようになりました。しかし、知識や経験が不十分なまま資格を取得する人が増え、業務に支障をきたすケースも少なくありません。

試験制度

登録販売者試験は都道府県ごとに実施され、試験問題は厚生労働省が通知する「試験問題作成の手引き」に基づいて作成されます。試験は筆記形式で、医薬品に関する知識や人体の構造、薬事法規など幅広い分野から出題されます。

試験内容

1. 医薬品に共通する特性とその基本的な知識
2. 人体の働きと医薬品
3. 主な医薬品とその作用
4. 薬事関係法規・制度
5. 医薬品の適正使用・安全対策

各分野で一定以上の得点が必要で、全体で7割程度の正答率が求められます。

試験の難易度と合格率

試験の難易度は都道府県によって異なり、合格率にもばらつきが見られます。近年は試験の難化傾向にあり、合格率は低下傾向にあります。

不正受験

過去には、替え玉受験や実務経験証明書の偽造など、不正受験の事例も発生しています。これらの不正行為は厳しく処分され、合格取り消しや受験資格の剥奪などの措置が取られます。

登録販売者として働くために

試験合格後、一般用医薬品の販売に従事するには、都道府県での販売従事登録が必要です。登録後、2年間の実務経験を積むことで、正規の登録販売者として認められます。実務経験が2年未満の場合は、研修扱いとなり、業務に制限が課せられます。

登録販売者の役割と責任

登録販売者は、第二類・第三類医薬品の販売・情報提供を行うことができます。第一類医薬品や要指導医薬品は、薬剤師のみが販売可能です。登録販売者は、医薬品の専門家として、お客様の相談に応じ、適切な医薬品の選択をサポートする役割を担います。

外部研修制度

知識・経験不足を補うため、外部研修制度が導入されています。研修では、医薬品に関する知識や販売方法、法令遵守などについて学びます。外部研修は定期的に行われ、登録販売者の資質向上に役立っています。

登録販売者の現状と課題

登録販売者は、医薬品販売の現場で重要な役割を担っていますが、制度の改正や政治的な影響を受けやすい側面もあります。コンビニエンスストアやネット通販大手の参入により、制度が安易に変更されることへの批判も存在します。

今後の展望

登録販売者制度は、今後も変化していく可能性があります。制度の安定化や質の向上が求められる中、登録販売者自身も常に知識・技能の向上に努め、お客様の健康をサポートしていくことが重要です。

外部リンク

医薬品の販売制度 - 厚生労働省
一般社団法人 日本医薬品登録販売者協会

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