白い恋人たち
映画『白い恋人たち』について
『白い恋人たち』は、1968年に製作されたフランス映画で、原題は「13 Jours en France」です。この作品は、フランスのグルノーブルで開催された冬季オリンピックの記録映画として知られ、多くの人々の記憶に留まっています。日本では東宝東和が配給し、同年に公開されました。
映画の内容と特長
映画のタイトル「13 Jours en France」は、フランスにおける13日間という意味を持ち、この映画が描く期間の重要性を示しています。映画の中で使用されるメインテーマ曲はフランシス・レイによって作曲され、特にザ・ピーナッツが日本語訳を歌っていることがよく知られています。また、挿入歌は、映画『男と女』の主題歌を歌ったピエール・バルーとニコール・クロワジールによって演奏され、一層の情感を加えています。
撮影は、約20名のスタッフと60台ものカメラを用いて行われ、使用されたフィルムはなんと約90,000フィートに達します。この大規模な撮影の中でも特筆すべきは、著名なスキー・カメラマン、ウィリー・ボーグナーが担当した滑降選手の撮影シーンです。選手たちの直後を、高速で滑りながら撮影したその映像は、迫力を感じさせるものとなっています。
歴史的背景と評価
1968年には、五月革命の影響でカンヌ映画祭が中止となり、本作が上映される機会を奪われました。しかし、映画は40年後の2008年にカンヌ映画祭のクラシック部門でオープニングムービーとして上映されることとなり、多くの観客から再び絶賛を浴びました。この上映会には監督のクロード・ルルーシュも出席し、映画の魅力を共有しました。上映終了後には、主題歌の口笛バージョンが流れ、観客も一緒になって口笛を吹くという一体感が生まれました。
映画の芸術性
オープニングに流れる言葉には「これは公式映画ではなく、たまたまグルノーブルに居た映画人が、13日間の感動的な日々を、見たままに描いた作品である」とありますが、実際には公式の記録映画として制作されています。この映画はただの記録映画とは異なり、事実を描写するだけでなく、芸術性も追求した作品となっています。ナレーションはなく、さまざまな映像が短いシーンで次々と映し出されるスタイルで、全編にわたって何度も流れるメインテーマが印象を強めています。聖火リレーから始まる映像は、オリンピック開催の準備や選手たちの日常、さらには競技以外の側面まで幅広く記録しており、最後の静けさで締めくくられます。
影響と関連作品
監督のルルーシュは、前作の市川崑監督の『東京オリンピック』に強く影響を受けているとされています。4年後にはミュンヘン夏季五輪の記録映画『時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日|時よとまれ、君は美しい_ミュンヘンの17日』の製作にも関わっています。そのため、本作はオリンピック映画の中でも重要な位置を占める作品となっています。
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