白井良明 (情報工学者)

白井良明（1941年 - ）は、日本の情報工学者であり、特にコンピュータビジョン、ロボットビジョン、画像処理、パターン認識の分野で多大な貢献をしてきました。大阪大学名誉教授であり、国際パターン認識連盟（IAPR）の副会長、人工知能学会会長を歴任するなど、学術界における重鎮として知られています。

愛知県出身の白井良明は、東海高等学校を経て名古屋大学工学部機械工学科を1964年に卒業しました。その後、東京大学にて工学博士号を取得し、1969年に電子総合技術研究所（現在の産業技術総合研究所）に入所しました。

1971年からは、マサチューセッツ工科大学（MIT）のAIラボに客員研究員として1年間在籍し、マービン・ミンスキー教授らの指導のもとで三次元コンピュータビジョンの研究に没頭しました。この経験が、その後の研究活動に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。

電子総合技術研究所では、1985年に制御部長に就任。1988年には大阪大学工学部電子制御機械工学科教授に転じました。2000年には人工知能学会会長に選出され、東京大学大学院工学研究科教授も兼任しました。2005年からは立命館大学情報理工学部知能情報学科教授として教鞭を執り、2012年からは総合理工学研究機構のチェアプロフェッサー、2013年より現職に至ります。同年には瑞宝小綬章を受章しています。

白井良明は、IAPR（国際パターン認識連合）の副会長、人工知能学会会長、電子情報通信学会情報システムソサイエティ会長など、数々の要職を歴任し、日本の情報工学、特に人工知能研究の発展に大きく貢献しました。

主な著書として、『コンピュータビジョン』(昭晃堂)、『Three Dimensional Computer Vision』(Springer-Verlag)、『LISP』(培風館、共訳)、『人工知能の理論』(コロナ社)、『身近になるロボット』(大阪大学出版会、共著)などがあり、研究者のみならず、学生にとっても有益な情報源となっています。

白井良明の研究は、コンピュータビジョンの基礎理論の構築から、ロボットビジョン、画像処理、パターン認識といった応用分野まで、幅広い領域に及んでいます。その業績は、日本の人工知能研究を世界的なレベルに引き上げる上で重要な役割を果たしました。また、教育者としても多くの優秀な人材を育成し、日本の情報工学の発展に大きく貢献しています。

外部リンク:

白井良明
東山会関西支部便り

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