白白教事件

白白教事件の詳細

白白教事件とは、1937年に日本統治時代の朝鮮で起こったカルト教団「白白教」による一連の大量殺人事件を指します。事件は、朝鮮京畿道京城府（現ソウル）の下往十里町で発生しました。この事件は、白白教が過去に自滅したカルト教団「白道教」の名を引き継ぎ、新たに活動を再開したことが発端となります。

事件の発端

1937年2月16日夜、白白教に関連する乱闘が京城で発生し、警察が介入しました。この乱闘を受けて、京畿道警察部は教団に関する捜査を開始しました。捜査の結果、教団の幹部約150人が2月26日に逮捕されました。しかし、教団の教祖である全龍海は逮捕を逃れました。

その後、警察は2月17日に教団のアジトを急襲し、約80人の信者を逮捕したものの、全龍海の行方はつかめないままでした。この状況は、教団内部での沈黙を強い、教祖の居所に関する情報がほとんど得られませんでした。

大量殺人の発覚

検挙された信者たちは口を閉ざし続け、教団の秘密を守ろうとしました。教祖の秘書は、逮捕時に自らの命を絶つ事態にも至りました。しかし、3月6日、信者のR兄弟がついに教団内で起こっていた殺人事件について告白を始めたのです。

R兄弟は、教団の内部に起きた惨劇について詳細に語り、「2月21日に全龍海が自宅に現れ、妾を呼び出して全員を殺害した」と証言しました。その後、R兄弟の証言通りに遺体が発見され、検死の結果、全龍海が常習的な殺人を行っていた疑いが強まります。他の信者も次々と全龍海の凶行を証言し、警察はその凄惨さに驚愕しました。

徹底した捜査

警察は全龍海を捕まえるための捜査を強化し、同時に被害者の遺体発掘を進めました。最終的に判明しただけでも309人が殺されており、実際の被害者数は314人に達したとされています。4月7日には全龍海の自殺した遺体が発見され、これにより白白教は事実上壊滅状態に陥りました。

社会の反響とその後

その後、事件に関する記事は4月13日に公開され、世間に衝撃を与えました。事件後の1940年4月5日、京城地方法院では教団の幹部12人に死刑、3人に無期懲役、9人に有期懲役が言い渡されるなど、厳しい裁判が行われました。

白白教事件は、日本統治下の朝鮮における凄惨な悲劇として、今も記憶に残る重大な事件です。信者の無数の命が奪われ、教団の教祖が持つ権力とその結果には、深い考察が求められます。

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