白石興二郎

白石興二郎は、1946年9月8日、富山県に生まれた。京都大学文学部を卒業後、1969年に読売新聞社（現・読売新聞東京本社）に入社。読売新聞での就職活動は、同社創業者である正力松太郎と同じ富山県立高岡高等学校出身であったことが影響したとされる。

読売新聞社では、静岡支局、福島支局、郡山通信部、政治部[[記者]]などを経て、ハーバード大学国際問題研究センター研究員として米国留学を経験。その後、政治部次長、論説委員、メディア企画局次長を歴任し、2002年には読売新聞東京本社執行役員・メディア戦略局長に就任した。

2004年に読売新聞東京本社取締役、2007年に同社常務・編集局長と昇進を重ね、2010年には読売新聞東京本社専務、読売新聞グループ本社執行役員論説委員長に就任。2011年には、読売新聞グループ本社代表取締役社長、読売新聞東京本社代表取締役社長・編集主幹、そして読売巨人軍オーナーを兼任した。2013年には日本新聞協会会長に就任し、新聞業界を牽引した。

2015年には読売新聞東京本社代表取締役会長に就任したが、2016年には読売巨人軍オーナーを辞任。しかし、読売新聞グループ本社代表取締役会長には引き続き就任した。2019年、日本政府よりスイス連邦駐箚日本国特命全権大使に任命され、読売新聞グループの役職を退任。さらに、同年10月には駐リヒテンシュタイン特命全権大使も兼務することとなった。

マスコミ関係者が大学教授や評論家を経て大使に就任する例はあったが、白石氏のように直接大使に起用されるのは異例であった。この人事は、メディアと政権の接近を懸念する識者からの声も上がった。2022年11月25日、全権大使の辞職が閣議決定。外務省関係者は、辞職理由を「外部から起用した大使の任期は3年程度のため」と説明した。

白石氏は、読売新聞グループ本社および東京本社代表取締役会長・編集主幹、日本テレビ放送網監査役、読売巨人軍取締役オーナー、日本放送協会中央放送番組審議委員会委員、読売書法会会長など、多岐にわたる役職を歴任した。そのキャリアは、新聞記者から実業家、そして外交官へと変遷を遂げた稀有な例であると言えるだろう。

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