白米山古墳

白米山古墳

白米山古墳（しらげやまこふん）は京都府与謝郡与謝野町後野に位置する古墳で、前方後円墳の形状を有しています。この古墳は国の史跡に指定されており、その長い歴史は地域の文化的な価値を示しています。

概要

白米山古墳は、丹後半島の加悦谷東側の丘陵に築かれています。墳丘は保存状態が良く、1996年から1999年にかけて発掘調査が行われました。古墳の形は前方部が北に向き、墳丘は2段に築造され、高さや直径も一般的な古墳と比較して大きなものです。具体的には、墳丘全体の長さは90メートルあり、後円部の直径は54メートルで、高さは7.5メートルです。一方、前方部は32メートルの幅で、高さは5メートルです。特筆すべきは、斜面部分に葺石が施され、テラス部には円礫が敷かれている点です。ただし、埴輪は発見されていません。

埋葬施設は後円部の中央に位置し、竪穴式石室が1基、土壙墓が2基、さらに木棺での直葬が1基あり、これらの詳細については未調査のためにわかっていません。出土した土器などから、古墳の築造時期は古墳時代前期中葉に推定されています。この地域では、「日本海三大古墳」と称される中型から大型の古墳の築造が始まる前に、白米山古墳が築かれたことがわかっています。

遺跡歴

白米山古墳の存在は昭和初期に認識され、1987年には京都府指定の史跡となり、1993年には隣接する白米山北古墳が発掘調査されました。続いて1996年から1999年までの発掘調査では、古墳の範囲が確認され、報告書も刊行されています。2002年には、国の史跡に指定されました。

埃埋葬施設

埋葬施設には後円部の墳頂中央に竪穴式石室が設けられており、推定される長さは4メートルで、天井石を支える6枚の石が確認されています。また、その周囲には杭列や柱穴も見られています。副葬品としては、テラス部分にある埋葬施設も存在しますが、詳しい情報は確認されていません。周囲の古墳と同じ集団によって利用されたと考えられています。

白米山古墳周辺の古墳

この古墳の周辺には、白米山西古墳群と呼ばれる4基の古墳があり、その中の1号墳や2号墳は1998年に発掘調査が行われています。1号墳は割竹形木棺の直葬が行われ、鉄斧が出土しました。2号墳から4号墳はいずれも割竹形木棺の直葬が確認されており、周囲の古墳と共通の文化圏であったことが示唆されています。

文化財としての重要性

白米山古墳は、2002年に国の史跡に指定されており、古墳時代の研究において非常に重要な遺跡とされています。この古墳の研究は、当時の人々の埋葬習慣や社会構造を探る手がかりとなり、古代の文化を知るための貴重な資料です。

この古墳を通じて、古墳時代の進展や、地域ごとの文化の違いについてより深く理解を進めることが期待されています。白米山古墳は丹後地方における前方後円墳の成立過程を考察する上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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