白羊宮の巨星

『白羊宮の巨星』

『白羊宮の巨星』（はくようきゅうのきょせい、The Best Of Vangelis）は、1978年にリリースされたヴァンゲリスのベスト・アルバムです。タイトルの「白羊宮」は、西洋占星術における牡羊座（Aries）を指し、実はヴァンゲリス自身の星座でもあります。このアルバムはシンセサイザー音楽の先駆者である彼の特異な音楽スタイルを余すところなく示しています。

収録曲とその魅力

アルバムには、以下の曲が収録されています。

1. パルスター (Pulstar) (5:46)
- 力強いリズムと神秘的なメロディで構成されるこの曲は、ヴァンゲリスらしいエネルギーを感じさせる作品です。

2. 螺旋 (Spiral) (6:56)
- 螺旋状に展開される音楽構造が特徴で、聴く者を次第に引き込んでゆく名曲です。

3. 見知らぬ男 (To The Unknown Man) (9:02)
- 深遠なテーマを持つこの曲は、静かな始まりから徐々にダイナミックな展開を見せ、聴く者に強い印象を与えます。

4. 反射率0.39 (Albedo 0.39) (4:24)
- 数値からインスパイアを受けたタイトルとは裏腹に、非常に幻想的な音風景が楽しめるトラックです。

5. バッカス祭 (Bacchanale) (4:44)
- 「天国と地獄」からの楽章であり、活気に満ちた祭りの雰囲気を醸し出しています。

6. 白羊宮 (Aries) (5:40)
- これも「天国と地獄」の一部で、ヴァンゲリスの個性的なスタイルが感じられる魅力的な作品です。

7. 霊感の舘（抜粋） (Beaubourg Excerpt) (10:34)
- 長めのトラックで、ヴァンゲリスの実験的な側面を強調しています。

8. ソー・ロング・アゴー、ソー・クリアー (So Long Ago, So Clear) (5:04)
- 優雅で美しいメロディが特徴で、感情豊かな表現に彩られています。

このように、様々なスタイルと情感を持つ曲が収められており、聴く者に多様な体験を提供します。

アルバムの背景

『白羊宮の巨星』は、ヴァンゲリスがポリドールに移籍する際に、RCAレコードで発表した4枚のアルバムから選曲された結果生まれた作品です。彼の幅広い音楽的才能を一枚にまとめた貴重なコレクションであり、特に彼のキャリア初期を代表する曲を多く含んでいます。2024年現在、日本国内盤のCDはリリースされていないものの、海外にはウィンダム・ヒルからのリリースがあります。

このアルバムは、単なるベスト・アルバムの枠を超え、ヴァンゲリスの音楽世界を凝縮した作品として、彼のファンにとっては必聴の一枚です。彼の独特なサウンドと深い感情が交差するこのアルバムは、音楽愛好家に新たな感動をもたらすことでしょう。

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