白膜 (陰核)

白膜の構造と機能の解説

白膜は、陰核を取り囲む結合組織から成り、その主な構成要素はコラーゲンおよびエラスチン繊維です。特に、白膜は繊維状で緻密な構造を持ち、平均的な厚さは約300μm（0.3 mm）です。この膜は陰核の機能において重要な役割を果たしています。

構造の詳細

白膜は2層のコラーゲン束から成り立ち、その深層では束が円形に整列し、表面層では縦に配置され、円筒形の管状構造を形成しています。この特殊な構造は、陰核の機能に適した形状を提供しています。ただし、陰核内で視認できるのは、主に深層に位置する円形の層のみです。

陰核は2つの海綿体からなり、それぞれ独自の白膜に包まれています。根元では坐骨海綿体筋によりカバーされ、膜の厚さは薄くなります。このため、解剖学的観点からの観察が必要です。さらに、根の海綿体もその形態を保ちながら、根の接合部で半円筒形に変化します。これにより、白膜は共通の膜として融合し、海綿体の間で中隔を形成します。白膜は、海綿体を完全に覆い、懸垂靭帯のコラーゲン束と結びついています。

また、白膜の深い面や中隔からは小柱と呼ばれる構造が外側に広がっており、線維性の弾性と平滑筋組織で構成されています。これらの小柱は、陰核の覚醒時に血液で満たされる海綿体洞を区切る役割も果たします。

機能的役割

白膜は陰核の勃起において不可欠です。白膜に含まれるコラーゲン束の波状構造は、膨張性を持ち、海綿体内に血液が流入することで動作します。この結果、海綿体下の静脈が圧迫されるため、血液の逆流を防ぐことができます。

特定の条件下では、コラーゲン繊維が細く伸びていき、膜は海綿体に蓄積された血液の圧力に対抗します。この圧力によって、陰核の拡張が止まり、そのボリュームが最大まで達し、剛性を持つ状態になります。これにより、陰核の勃起を適切にサポートします。

前庭球の白膜

前庭球の白膜は陰核と同様の構造を持つものの、白膜と小柱がより細かく、海綿体洞が比較的大きいという特徴があります。これにより、前庭球も陰核同様に重要な機能を果たしますが、その構造には違いがあります。

相同器官としての比較

陰核の白膜は、陰茎の白膜と似ていますが、厚さには顕著な違いがあります。女性の白膜は陰茎のそれの約1/2から1/3の厚さで、表在性の縦線維はあまり見られないことが特徴です。男性の白膜は2層がしっかり発達しており、これは陰核心的な役割を果たすため、覚醒時における陰核の伸長が比較的控えめであることを反映しています。

このように、白膜は陰核の重要な構造であり、その機能を支える主要な要素として働いています。

もう一度検索