白須賀宿

白須賀宿の概説

白須賀宿（しらすかしゅく）は、静岡県湖西市に位置する東海道五十三次の宿場の一つであり、番号は32番目です。この宿場は、遠江国の最西端にあたる場所に位置し、現代の47都道府県の中でも静岡県の最西の宿場町として知られています。特に有名なのは、近隣の加宿境宿で販売されていた柏餅が白須賀宿の名物として親しまれていたことです。

歴史的背景

白須賀宿は元々海岸近くの地に存在していましたが、1707年の宝永地震とそれに伴う津波により甚大な損害を受けました。その結果、宿場は潮見坂の高台に移転しました。天保年間（1830-1844）からの記録によると、当時の旅籠屋の数は27軒で、これにより当宿は宿場町としては中規模の存在だったことがわかります。

宿場は1889年に白須賀町として設立された後、1955年には湖西町、現在の湖西市に編入されました。明治時代の東海道本線の敷設の際には、新居宿から白須賀宿に向かう潮見坂の勾配が蒸気機関車の運転にとって障害となりました。それにより、東海道は浜名湖沿岸の鷲津経由となり、白須賀宿周辺の発展は停滞しました。しかし、現在でもこの地域には当時の家並みや風情が一部残っており、過去の名残を感じることができます。

アクセス情報

白須賀宿へのアクセスは、湖西市の自主運行バス「コーちゃんバス」を利用可能ですが、土日祝日と年末年始には運行がなく、タクシーの使用が必要となります。また、JR鷲津駅からは約20分の距離で白須賀鷲津線が利用でき、JR新所原駅からも約20分で白須賀岡崎線があります。

史跡と観光スポット

白須賀宿にはいくつかの興味深い史跡や観光スポットがあります。最も多くの人々が訪れるのは「潮見坂」です。この坂は白須賀宿のシンボル的な存在として、多くの観光客に愛されています。

さらに、「おんやど白須賀」という施設も存在し、東海道宿駅開設400年を記念して白須賀宿に関する資料を展示しています。入館は無料で、宿場の歴史について学ぶことができます。

もう一つの名所に「火防樹」があり、地元住民にとって大切な木とされています。現地の人たちの信仰や文化の一部を体現しているこの樹木は、訪れる者に深い印象を与えることでしょう。

隣接する宿場

白須賀宿の隣には新居宿と二川宿があり、東海道の旅をする上でそれぞれの宿場の特徴や文化に触れることができます。このように白須賀宿は、単なる宿泊地にとどまらず、訪れる人々に旅の記憶を印象深く残す魅力的な歴史的場所なのです。

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