皇子山球場

マイネットスタジアム皇子山（皇子山総合運動公園野球場）

滋賀県大津市にある皇子山総合運動公園に位置する野球場です。この施設の正式名称は「皇子山総合運動公園野球場」ですが、「皇子山球場」の愛称で広く知られています。2022年3月12日からは、ネーミングライツ契約により「マイネットスタジアム皇子山」という名称が使用されています。これは、株式会社マイネットが5年間の契約で命名権を取得したことによるものです。

この球場は1960年7月18日に開設されました。開設当初は、主に県内の高校野球や大学野球などに利用されていました。滋賀県における高校野球の主要な舞台の一つとして、全国高等学校野球選手権滋賀大会や秋季近畿地区高等学校野球滋賀県大会などの重要な試合会場として、彦根市の県立彦根球場と並んで親しまれています。

開場から40年以上が経過し、施設の老朽化が進んだため、大規模な改築が決定されました。2002年から外野スタンドとスコアボードの整備が始まり、続く2004年10月からは内野スタンドとグラウンドの改築工事が開始されました。この改修では、それまでの両翼91メートル、中堅118メートルだったグラウンドが、プロ野球の公式戦開催規格を満たす両翼100メートル、中堅122メートルへと拡張されました。改築工事は2006年8月に完了しました。内野スタンドは鉄筋コンクリート3階建ての構造となり、約10,000席の座席が設置されました。これにより、総収容人数は15,200人となりました（内野：座席、外野：芝生席）。また、スタンド内部には新たに室内練習場が設けられたほか、外野スタンド下には災害時用の備蓄倉庫が設置されました。環境への配慮から雨水利用設備も導入されるなど、機能性と防災性が向上しました。一連の改修にかかった費用は約34億円、総事業費は約40億円に上ります。新しい球場のこけら落としは、2006年9月に開催された第61回天皇賜杯全日本軟式野球大会でした。

改修後、プロ野球公式戦の開催も実現しました。2011年4月には、NPB公式戦としては初めてとなる埼玉西武ライオンズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの一戦が行われました。これは、同年発生した東日本大震災に伴う計画停電の影響を受け、西武ドームでの開催が困難になったため代替球場として組まれたものです。この他、改修以前にも西武ライオンズ主催のオープン戦が数試合行われています。改修後には、イースタン・リーグの読売ジャイアンツが主催試合を開催したり、阪神タイガースがオープン戦を開催したりしています。2011年には前述の公式戦の他、プロ野球12球団チャリティーマッチも開催されました。翌2012年4月19日にも、埼玉西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズの公式戦が行われています。

独立リーグの試合も開催されています。2014年9月15日には、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックス対香川オリーブガイナーズの試合が開催されました。この試合は、立命館大学スポーツ健康科学部を中心とした学生たちが運営に携わったことでも知られます。2017年以降は、ベースボール・チャレンジ・リーグに加盟した滋賀県を拠点とする球団（滋賀ユナイテッドベースボールクラブ、オセアン滋賀ブラックス、滋賀GOブラックスと名称を変えながら）がホームゲームを開催してきました。ただし、開催頻度は年によって変動があり、2022年の日本海オセアンリーグに所属していた際は試合が予定されませんでした。また、2010年からは日本女子プロ野球機構のチーム、兵庫スイングスマイリーズが主催試合を実施した実績もあります。

現在の施設は、内野スタンドが鉄筋コンクリート造3階建て、外野スタンドが鉄筋コンクリート造2階建ての構造となっています。グラウンドサイズは両翼100メートル、中堅122メートルです。収容人数は15,200人で、内野は座席、外野は芝生席です。スコアボードは3色LED表示の電光式が導入されています。照明設備は6基が設置されており、最大照度は投捕間で1800Lx、内野で1000Lx、外野で500Lxを確保しています。

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