益田詩歩

益田 詩歩（ますだ しほ）は、1988年10月28日生まれ、新潟県長岡市出身の元女子プロ野球選手です。

華々しい高校時代と野球からの離脱

彼女の野球キャリアは、高校時代に早くも輝きを放ちます。選抜大会と選手権大会の両方で全国制覇を達成するなど、チームの中心選手として活躍しました。しかし、高校卒業後、益田氏は一度野球から離れることを選択します。オーストラリアへ渡り、プロゴルファーを目指すという異色のキャリアチェンジを図りました。

野球への情熱、再び

ゴルフへの挑戦を続ける中、2009年に日本女子プロ野球機構が発足されることを知ります。このニュースが、一度は断念した野球への情熱を再燃させるきっかけとなりました。日本へ帰国し、第1回合同トライアウトを受験。見事に合格を勝ち取ります。同年12月に行われたドラフト会議で、兵庫スイングスマイリーズから指名を受け、プロ野球選手としての道を歩み始めました。入団初年度の2010年には、男子プロ野球選手の岡島秀樹氏と合同トレーニングを行う機会も得ています。

プロでの変遷と活躍

高校時代は捕手でしたが、プロの世界ではチームに経験豊富な捕手がいたため、その優れた打撃力を活かすべく外野手へとコンバートされました。プロ1年目の2010年は、出場機会が21試合にとどまり、期待された長打も1本と、苦しいシーズンとなりました。しかし、翌2011年のシーズン後半からは左翼手のレギュラーに定着。打撃が向上し、長打率が5割を超えるなど、主砲としての才能を開花させ始めました。

2011年12月13日には、翌シーズンからリーグに参戦する大阪ブレイビーハニーズへの移籍が発表されます。そして、リーグの再編成を経て、2013年には大阪の後継球団となるノース・レイアに所属しました。しかし、その年の10月、益田氏は同年限りでの現役引退を表明しました。

人物像とエピソード

益田詩歩氏には、選手としてだけでなく、ユニークな人物像を示すエピソードが数多くあります。ニックネームは「ダーマス」としてチームメイトやファンに親しまれていました。また、2012年までつけていた背番号「44」は、名前の「シホ」にちなんだ語呂合わせ（44＝シ・フォー）から選ばれたと言われています。

身体的な特徴としては、男子プロ野球選手に引けを取らないほど大きな手の持ち主だったそうです。グラウンド外では、18歳の時にインドで英語教師のボランティアを経験するなど、国際的な視野も持っています。さらに、自称「チームの写真係」を名乗るほどの写真好きでもありました。彼女がブログに投稿していた写真は、スマートフォンで撮影されたとは思えないほどセンス溢れるもので、その多才ぶりを示していました。

短期間ながらも波乱万丈な野球人生を送り、多方面で才能を発揮した益田詩歩氏は、女子プロ野球の創成期を彩った選手のひとりとして記憶されています。

所属球団

兵庫スイングスマイリーズ（2010年 - 2011年）
大阪ブレイビーハニーズ（2012年）
ノース・レイア（2013年）

背番号

44 （2010年 - 2012年）
* 14 （2013年）

もう一度検索