監護

監護（かんご）とは

監護とは、保護を必要とする人が、その福祉にかなう日常生活を送れるように継続的に配慮する責任を指します。具体的には、対象者が安全で健康な生活を送れるように、身の回りの世話や必要なサポートを行うことを意味します。

監護と看護・介護の違い

監護と似た言葉に「看護」や「介護」がありますが、これらの言葉とは意味合いが異なります。

看護：病気やけがをした人の身体的な動作を一時的に補助すること
介護：病気や障害によって日常生活に困難を抱える人を継続的に補助すること

これに対し、監護は、対象者の状態に関わらず、その人にとって最善の利益を追求するという法的責任を意味します。したがって、必ずしも物理的な補助を伴うとは限りません。

監護者とは

監護を行う人を監護者といい、対象者の状況によって「保護者」や「後見人」など、呼び方が変わります。

保護者：未成年者を監護する人（親など）
後見人：成年被後見人（判断能力が不十分な人）を監護する人

未成年者の監護

未成年者の監護は、その子が心身ともに健やかに成長し、社会の一員として自立できるよう、教育や指導を行うことを目的とします。原則として、親が監護権を有します。離婚した場合は、親権を持つ親が監護権も持つのが一般的ですが、親権と監護権を別々に定めることも可能です。

児童福祉法では、児童相談所や児童福祉施設の長が、必要に応じて児童の監護に関する措置をとることが認められています。また、2017年の刑法改正により、監護者がその立場を利用して未成年者にわいせつな行為をした場合、監護者わいせつ罪または監護者性交等罪として処罰されることになりました。これらの罪は、たとえ脅迫や暴行がなかったり、同意があったりした場合でも成立します。

成年被後見人等の監護

成年被後見人の監護は、本人の意思を尊重し、自己決定を支援することを目的とします。具体的には、本人が日常生活を送る上で必要なサポートや、意思決定を阻害する要因への合理的配慮を行うことが求められます。

成年後見人は、財産管理だけでなく、身上監護も職務として担います。これは、被後見人が尊厳を持って生活できるよう、その人らしい暮らしを支えることを意味します。

まとめ

監護は、対象者の最善の利益を追求する法的責任であり、その対象者の年齢や状態によって、求められる内容が異なります。未成年者の監護は、成長と自立を促すことを目的とし、成年被後見人の監護は、自己決定の尊重と生活の質を高めることを目的とします。

関連用語

看護
介護

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