目ん玉マーク

目ん玉マークについて

目ん玉マークとは、フジサンケイグループの公式シンボルマークであり、同グループ各社が統一して使用している社章です。このマークは「目玉マーク」とも呼ばれ、目をモチーフにしたデザインが特徴です。1985年4月に、当時のフジサンケイグループ議長であった鹿内春雄氏がグループの結束を強化するために設定しました。

デザインを手がけたのはイラストレーターの吉田カツ氏で、見る人に温もりと親近感を与えるように仕上げられています。このデザインの特異な点は、一般的なデザイン手法ではなく、絵具のチューブから直接描かれたことです。こうした特異性が、目ん玉マークのユニークさを際立たせています。商標権はフジ・メディア・ホールディングスが所有しており、社内コンペからの選出という形が取られましたが、当時の役員からはあまり高い評価を得られなかった状況もありました。しかし鹿内氏はこのデザインを強く支持し、採用が決定しました。

制定時のキャッチコピーは「人が好き、地球が好き。あったかい心みえますか フジサンケイグループ」で、フジテレビやニッポン放送を通じて広報活動が展開されました。1986年4月1日より、目ん玉マークは正式にフジサンケイグループの各社で使用され始め、これにあわせて統一企業ロゴタイプ用のフォントも導入されました。

目ん玉マークが導入される前は、フジテレビのアイデンティティとして「8マーク」が使用されていました。この8マークは、フジテレビの親局が8チャンネルであることをモチーフにしたデザインで、当時は社章や社旗、テレビ番組のオープニング・エンディングにも広く用いられていました。目ん玉マークへの切り替えは、84年から86年の間に行われ、多くの視聴者には新たなシンボルとして衝撃を与えました。

目ん玉マークは、放送中の全国ネット番組において一般的なイメージとなり、「フジテレビと言えば目ん玉マーク」と言われるまでになりました。特に、フジテレビ制作のアニメやドラマなどのオープニングやエンディングクレジットで使用されることが多く、視聴者にとってこのマークは欠かせないアイコンとなっています。

また、目ん玉マークは、フジテレビの防災用ヘルメットや、公的な場面でも広く使用されており、認知度が非常に高いシンボルです。さらに、目ん玉マークは新聞やDVDパッケージ、CDなどのメディアにも使用されており、フジサンケイグループの広範なビジネス領域において、その存在を示しています。

一方、グループ内の文化放送では、目ん玉マークが使用されていないこともあり、他の企業グループとの違いを際立たせています。また、フジサンケイグループにおける他のシンボルマーク（旧・8マーク）も現在でもいくつかの場面で使用されており、歴史的な価値を持ち続けています。

目ん玉マークのデザインは、シンプルでありながらも広い認知を誇るこれまでの経緯から、日本のメディア文化において重要な役割を果たしていることは疑いようがありません。今後もその存在は多くの視聴者の記憶に残り続け、新たな形で進化を遂げていくことでしょう。

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