目茶苦茶ゴルフ

目茶苦茶ゴルフ：トムとジェリーのドタバタゴルフ対決

1945年公開のカートゥーン『目茶苦茶ゴルフ』（原題：Tee For Two）は、トムとジェリーシリーズの中でも特に人気の高い作品の一つです。荒れ果てたゴルフコースを舞台に、ゴルフが苦手なトムと、いたずら好きなジェリーによる予測不能なドタバタ劇が繰り広げられます。

ストーリー

舞台となるのは、無残にも荒らされたゴルフコース。あちこちに穴が開き、壊れたゴルフクラブが散乱する様は、まさに戦後アメリカの荒廃を反映しているかのようです。

主人公のトムは、ゴルフが極めて不得手。ショットはことごとく失敗し、カップイン寸前でボールを外してしまうなど、見ているこちらがハラハラするような、へっぴり腰なプレーぶりです。そんな中、カップの中に潜んでいたジェリーを発見。ジェリーはトムの攻撃をかわしながら、コース内を逃げ回ります。

トムはジェリーを捕まえようとしますが、ジェリーはトムの予想を超えた機転と行動力で、トムを翻弄します。トムはジェリーをティー代わりにしたり、ボールクリーナーに押し込んだりと、様々な方法でジェリーをいじめます。しかし、ジェリーはトムの攻撃を巧みにかわし、反撃に出ます。

ジェリーの反撃は、トムをキツツキやハチの群れに追いやることから始まります。さらに、茂みに隠れたトムの毛を芝刈り機で刈り取り、プードルのような姿に変えてしまうという、徹底的な嫌がらせを仕掛けます。

トムはハチから逃れるため池に飛び込みますが、ジェリーの策略により、ハチの巣から出てきたハチの大群に襲われてしまいます。悲鳴を上げながら逃げ惑うトムに、ジェリーはゴルフクラブを奪い、ボールを打ちます。見事なショットでボールはトムの頭に命中し、トムはバタンと倒れます。ジェリーの痛快な復讐劇は、ここで幕を閉じます。

キャラクター

トム: ゴルフが下手で、コースをめちゃくちゃにするだけでなく、ジェリーをいたずらで苦しめます。しかし、ジェリーの巧みな罠にはまり、最後はジェリーに痛烈な仕返しをされます。
ジェリー: トムの悪巧みをかわし、巧みな策略でトムを翻弄します。キツツキやハチを呼び寄せたり、芝刈り機を使ったりと、トムへの反撃は徹底的で、見ている者を笑わせる場面も多いです。
ハチ: ジェリーに操られ、トムを襲うハチの大群。トムが池に逃げ込んでも、ストローを通じて襲いかかり、トムを刺しまくります。
キツツキの雛: 本作で初登場。ジェリーに騙され、トムに卵をゴルフクラブで打たれ、孵化した後、トムに反撃します。

作品全体の印象

『目茶苦茶ゴルフ』は、トムとジェリーのコミカルなやり取りだけでなく、荒廃したゴルフコースという背景も印象的です。終始、笑いが絶えない作品ですが、同時に、戦後のアメリカの社会状況を反映しているようにも感じられます。トムとジェリーの激しい攻防を通して、人間の愚かさや、自然の力強さといったテーマも感じ取れる、奥深い作品と言えるでしょう。 トムとジェリーのキャラクター性も良く出ており、シリーズの中でも屈指の名作として、多くのファンに愛され続けています。

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