直撃地獄拳 大逆転

直撃地獄拳 大逆転

『直撃地獄拳 大逆転』（ちょくげきじごくけん だいぎゃくてん）は、1974年に公開された日本のアクション映画で、タイトルの英語名は "The Executioner II: Karate Inferno" です。本作は、千葉真一を主演に迎え、石井輝男が監督・脚本を手掛けた作品であり、「地獄拳シリーズ」の第2作として知られています。

映画の総再生時間は86分で、色彩豊かなシネマスコープで撮影されています。物語は、慈善団体の会長であるザビーネ夫人の娘ジュリーが誘拐され、その際に貴重な宝石「ファラオの星」も奪われるという衝撃的な導入から始まります。

元警視総監の嵐山は、ジュリーと宝石を取り戻すために、かつて麻薬密輸ギャングを壊滅に導いた忍者たち、甲賀、隼、桜の3人を再度集結させます。しかし、彼らの尽力にも関わらず、ジュリーと宝石は保険会社が支払った巨額の身代金と引き換えに無事に戻されます。だがその宝石は偽物であり、この一連の事件はザビーネの側近ブルーノを介したシカゴのマフィアによる、大規模な保険金詐欺の一環であることが次第に明らかになっていきます。

3人はその後、ロジャース銀行の日本支店に攻め込み、宝石と身代金を取り戻す計画を立てます。厳重な警備を潜り抜けた末に、ついに宝石と身代金を手に入れることに成功しますが、そこで待ち受けていたマフィアとの激しい格闘が展開されます。彼らは持ち前の技術を駆使して、マフィアの側を次々と打倒していきます。

物語のクライマックスでは、元々の依頼主である保険会社の会長とその秘書が現れます。彼らの正体は、警視庁の捜査一課長・衆木と、香港警察の女性刑事・シューレイであり、実は彼らは3人をマフィア壊滅のために利用していたのです。衆木は3人の活躍を称賛しつつも、逮捕命令を下します。この意外な展開が、映画のラストを一層印象深いものにしています。

キャストには千葉真一の他に、さまざまな俳優が名を連ねています。千葉は、甲賀忍法の24代目宗家であり、一時は私立探偵を辞めて自衛隊のレンジャー部隊に転身しますが、嵐山の依頼を受けて再び戦いに身を投じることになります。

この映画は、単なるアクション映画にとどまらず、悪との戦いを描く中で人間ドラマが展開されます。石井監督は本作の特色について「空手映画にはあまり興味がなかった」と語り、想定外の展開を盛り込むことで観客を楽しませることを意識したとしています。結果的に、『直撃地獄拳 大逆転』は、その独自のストーリー展開とアクションシーンの連続で、今なお多くのファンを惹きつける作品となりました。

映画は、1974年に公開されて以来、様々なメディアで言及されており、その影響力は今もなお続いています。興味深いストーリーとアクションを融合させた作品として、多くの評価を受けています。

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