相川考古館

相川考古館（あいかわこうこかん）

群馬県伊勢崎市三光町に位置する相川考古館は、私立の歴史博物館で、人類学者の相川之賀が古代から近世にかけて収集した多種類の資料を展示しています。館内には国の重要文化財に指定された埴輪もあり、地元の歴史と文化を伝える役割を担っています。

館の歴史

相川考古館の解説には、相川家の歴史が密接に関連しています。この家系は江戸時代から続く商家であり、当時は脇本陣としても名が知れた存在でした。入館すると、今も残る母屋や土蔵、茶室の美しい構築物が訪れる者を迎えてくれます。

相川之賀（1866年 - 1950年）は、この家の長男であり、西洋学問に興味を持ち、19歳の時にアメリカへの渡航を果たします。渡米中にはカナダ先住民に関する多くの人類学的資料を集め、一時帰国した際にはその一部を東京帝国大学に寄贈しました。さらに、地元伊勢崎周辺で出土した考古的資料も積極的に集めました。

1914年、相川之賀が日本に帰国した後は、地元の文化財の調査に従事しながら、町の要職につくことを選びました。彼は最終的に私有地に博物館を設立する計画を抱いていましたが、第二次世界大戦による影響のためにそれを実現することは叶いませんでした。1950年に彼が亡くなった後、彼の遺志を受け継いだ長女らによって「相川郷土館」として博物館が開館しました。その後、名称は「相川考古館」に変更され、1993年には財団法人として運営が移行されました。

展示室と常設展

相川考古館は、相川家の旧母屋や土蔵を展示に利用しており、特に土蔵では群馬県内で出土した考古資料が中心に展示されています。また、近世の人形や伊勢崎銘仙など、さまざまな民俗資料も取り扱われています。これらを通じて、訪れる人々は地域の歴史と文化に触れることができます。

重要文化財の概要

相川考古館の所蔵品には、特に注目すべき重要文化財があります。先述の通り、指定された埴輪は以下の4点です。
1. 埴輪男子倚像（弾琴男子像） - 琴を弾く人物を描いたこの埴輪は、群馬県前橋市朝倉町で出土しました。
2. 埴輪武装男子立像（武装男子像） - 群馬県太田市で見つかった状況を反映した作品で、甲冑に身を包み、武器を持った像です。
3. 埴輪男子立像（盛装男子像） - 群馬県伊勢崎市の豊城町で発見されたものです。
4. 埴輪男子立像（広帯男子像） - 群馬県の大泉町で出土した埴輪です。

埴輪は古代日本の信仰や埋葬文化を物語る重要な資料であり、相川考古館のシンボルでもあります。特に「ことはにくん」と名付けられたキャラクターは、館の公式FacebookやTwitterで親しまれています。

県指定重要文化財

また、相川考古館内には、群馬県内最古の茶室「觴華庵（しょうかあん）」があります。これは1861年に建てられ、現在も茶室として利用されており、来館者には抹茶が提供されています。

利用案内

相川考古館に訪れる際には、一般の入場料は500円、小・中学生は200円となっており、茶室での抹茶を楽しむ場合は別途400円が必要です。開館時間は午前9時30分から午後4時30分までで、月曜日は休館日となっています。

アクセス

館までのアクセスは、JR両毛線伊勢崎駅から徒歩12分、東武伊勢崎線新伊勢崎駅から徒歩10分、北関東自動車道駒形ICからは車で10分と非常に便利です。駐車場も完備されています。

相川考古館は、地域の歴史と文化を深く理解するための場として、多くの訪問者に楽しんでいただけるスポットです。

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