相模太郎 (初代)

初代相模太郎について

初代相模太郎（しょだい さがみ たろう、1900年10月10日 - 1972年2月12日）は、日本の浪曲師として広く知られている重要な人物です。彼は東京都芝神谷町にて本名小森武治として生まれ、幼少の頃から浪曲に親しむ環境で育ちました。彼の生家の近くには、初代木村重友が経営していた寄席小屋、ゆたか亭があり、そこでの体験が彼の将来に大きな影響を与えました。

17歳の時、相模太郎は浪曲の世界に飛び込み、東家小楽燕に入門しました。しかし、彼の初期の活動は思うようにいかず、一時期は廃業。サラリーマンや兵役といった異なる職業を経験しました。その後、29歳の時に浪曲界に復帰し、初代東家愛楽の門下に入り、愛雀という名前を名乗りました。

1931年、彼は師の名前を引き継ぎ、2代目愛楽を襲名しました。さらに、1935年にはポリドールと契約し、SPレコードの吹き込みを行うことになりました。この際に、相模太郎という名前に改名します。彼は正岡容作の「灰神楽三太郎道中記」を口演し、この作品が大ヒットを記録。これにより、彼は一躍有名となり、続々とシリーズ化されることになりました。

相模太郎は他にも「青竜刀権次」や「南京松」など、多くの代表作を持ち、その独特な演技スタイルは「相模節」として名を馳せたのです。昭和30年代には、人気ラジオ番組「浪曲天狗道場」において審判役を務め、彼の「ちょいと待ったぁ」という掛け声は、全国的に知られるようになりました。

また、相模太郎は特に社会貢献を重視し、全国の刑務所へ慰問活動を行うことに40年もの間尽力しました。この行動は評価され、愛知揆一法務大臣から感謝状を授与されるほどの影響力を持ちました。

彼の家族についても触れておくと、次男が名跡を引き継ぎ、2代目相模太郎として活動しています。また、弟子の中には漫才に転じたさがみ三太・良太も名を連ねています。初代相模太郎の功績や影響は、浪曲師としての枠を超え、多くの人々に愛され続けています。彼の業績は今もなお、浪曲界において重要な位置を占めています。

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