相模新駅

相模新駅の概要

相模新駅（さがみしんえき）は、神奈川県内の寒川町倉見地区に設置予定の東海道新幹線の駅です。この新駅の設置は、相模原市、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、厚木市、伊勢原市、海老名市、座間市、綾瀬市、高座郡寒川町の1町9市による「神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会」の要請に基づいています。この新駅計画は、周辺地域の交通利便性の向上や経済発展を目指しています。

ツインシティ構想

相模新駅が計画されている寒川町倉見地区は、相模川を挟んだ対岸の平塚市大神地区との連携を図る「ツインシティ構想」の一環として位置づけられています。この構想は両地区を新しい橋で結び、環境に配慮した持続可能な都市を目指すものです。

誘致の歴史

東海道新幹線の小田原駅 - 新横浜駅間は、51.2キロメートルと長距離区間であるため、神奈川県内で新駅設置の機運が高まってきました。1975年、相模川の西側に位置する平塚市、厚木市、伊勢原市の3市と経済団体によって「相模新駅協議会」が設立され、新駅誘致の活動が始まりました。その後、周辺地域からも新駅の要望が高まり、特に鉄道駅がない綾瀬市などでは切実なニーズが林立しました。

1990年代に入ると、リニア中央新幹線の実現が見込まれるようになり、1991年には相模川の東側に位置する9市町が「湘南新駅協議会」を設立しました。このように、相模川を挟む東西で異なる協議会が並存していましたが、1996年に統一されて「神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会」が誕生し、本格的な誘致活動が開始されました。

誘致地区の決定と計画

新駅の誘致地区は、最終的に寒川町倉見地区に絞り込まれました。この地区は、平坦な地形で市街地が形成されており、交通アクセスも良好です。2002年には寒川町倉見地区と平塚市大神地区を結ぶ「ツインシティ整備計画」が策定され、さらなる発展が目指されています。

新駅の開業にあたっては、予測乗降客数が14,000人/日から19,000人/日と見込まれ、周辺地域の経済効果も期待されています。例えば、新駅利用者による時間短縮効果は、開業時の年間47億円から10年後には61億円となると予測されています。

経済波及効果

新駅開業後の10年間には、約54,000人の人口増加、約38,700人の従業者増加、年間約39万人の観光客増加が見込まれています。また、建設効果や消費、操業効果を考慮すると、開業後の税収効果も年々増加するとされています。これにより、地域全体の活性化が期待されています。

今後の展望

JR東海は、リニア中央新幹線の開業後に新駅設置の可能性が高まるとしていますが、現時点では具体的な計画は未だ不明です。また、相鉄いずみ野線の延伸計画も進行中であり、交通インフラの整備は地域経済にプラスの影響を与えると考えられています。

相模新駅の設置は、地域の交通の利便性を高め、新たな発展の起爆剤として多くの期待を集めています。今後の進展が注目されるところです。

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