盾津飛行場

盾津飛行場の歴史

盾津飛行場（たてつひこうじょう）は、かつて大阪府東大阪市に存在した軍用飛行場で、現在は商業施設やトラックターミナルとして利用されています。この飛行場の歴史は、1930年代に遡ります。特に1933年、国粋大衆党の笹川良一が発起人となり、民間人の搭乗員養成のための飛行場として建設が始まりました。

建設と開業

1934年の2月に工事が始まり、同年の9月には完成しました。これに伴い、飛行場は陸軍に寄贈され、「大阪陸軍飛行場」として開業することとなりました。ここが後に「盾津飛行場」と呼ばれることになります。当初から陸軍に利用される一方、航空教育の場としても多くの学生が訪れました。特に、1935年にドイツから来たグライダー学校の校長による模範飛行が行われ、多くの航空連盟の大会がここで開催されました。

軍事演習の中心地

1939年には大学生のための軍事演習地として、さらに1940年には隣接する城東練兵場が開設されたことに伴い、戦略的な位置づけが強まりました。そして、1941年には大阪練兵場と共に海軍に移管され、滑走路の拡張が行われました。この時期には、川西航空機や松下航空機による木製の飛行機「明星」の試験飛行も行われ、様々な飛行機のテストが実施されていました。

飛行場の施設

当時の盾津飛行場は、総面積が253,800平方メートルを有し、滑走路は744メートルの長さを持ちました。格納庫は3棟あり、小型機70機を格納することが可能でした。兵舎や教育隊舎、寄宿舎なども完備されており、飛行訓練を受ける隊員たちの生活環境も整っていました。このように、盾津飛行場は訓練の場としてだけでなく、様々な航空機の開発にも寄与していたのです。

戦後の変遷

しかし、1945年8月の終戦によって、盾津飛行場は米軍に接収され、閉鎖されることとなりました。その後、同年の11月には緊急開拓事業が実施され、練兵場跡の開墾が行われました。1947年4月には飛行場跡に盾津町立中学校（現在の東大阪市立盾津中学校）が開校され、地域の教育施設として再利用されました。

1950年には、飛行場跡が農地として払い下げられ、地域の発展に寄与することになります。その後も1969年には流通業務団地とされ、大阪機械卸業団地およびトラックターミナルが設置されるなど、地域の商業活動が活発化しました。

このように、盾津飛行場は、日本の航空史において重要な役割を果たしてきた場所であり、その後の地域の発展にも寄与した歴史的な場所です。

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