県民手帳

県民手帳とは

県民手帳は、各都道府県が発行している手帳であり、その地域に特化した情報が満載です。スケジュール管理だけでなく、県の統計データや生活情報、観光情報などが掲載されており、その地域をより深く知るためのツールとして活用されています。

歴史

県民手帳の起源は、昭和初期に国勢調査の統計調査員向けに作成されたものが始まりとされています。その後、1960年代の国勢調査を機に、現在の形に近い県民手帳として発行される県が増えました。長野県では1961年から県民手帳を発行し、その使いやすさから県民に広く販売されるようになりました。

滋賀県では1955年から県民手帳を発行していましたが、初期のものは保存されていませんでした。2020年に国勢調査100周年を迎えたことを機に情報提供を呼びかけた結果、全ての年の県民手帳が発見されるというエピソードもあります。

販売

県民手帳は、毎年10月から12月頃に各都道府県や市町村のウェブサイトで案内されます。価格は県によって異なり、300円から1,000円程度ですが、500円から700円のものが多く見られます。販売場所は、県庁や市町村役場、書店、文具店、コンビニエンスストアなど様々です。近年では、インターネット通販も行われており、県外のファンがコレクションとして購入するケースも増えています。

発行部数

県民手帳の発行部数は、年々増加傾向にあります。2016年度版では、確認できただけでも84万部以上が発行されました。最も発行部数が多いのは長野県で、次いで茨城県、群馬県、新潟県となっています。県民1人当たりの発行部数では、長野県に次いで山形県が多くなっています。

内容

県民手帳の内容は県によって異なりますが、一般的に以下のような情報が掲載されています。

• - 県勢や市町村勢の統計データ（人口の推移など）
• - 県内の地図・路線図
• - 県庁、市役所と町村役場の所在地と連絡先
• - 県内の主要公共機関・公共施設などの情報
• - 緊急時の相談窓口や災害避難などの情報
• - 県議会議員、県選出国会議員の連絡先
• - 県の記録（主にその県が日本一の事項を列挙）
• - 県のシンボル（県章・県旗・県木・県花・県鳥）とその由来
• - 県民歌および県内で愛唱されている民謡
• - 県内の主な年中行事（伝統行事、祭り、イベントなど）
• - 県内の名所、名物、ご当地グルメなど

県別発行状況

2023年現在、北海道、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、長崎県の8都道府県を除く、全国39県で県民手帳が発行されています。かつては発行していたものの、統計協会の解散などの理由で発行を終了した県もあります。また、三重県のように、一旦廃止された後に復活した県もあります。

京都府では、公式な府民手帳はありませんが、民間の出版社から京都の情報を掲載した『京都手帖』が刊行されています。滋賀県と大分県は2023年度を最後に発行を終了しました。

県民手帳は、地域を愛する人々にとって、なくてはならない情報源となっています。旅行や出張の際にも役立つ情報が満載なので、ぜひ手に取ってみてください。

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